組織再編税制 vol.3 - 合併 Part.3 -

税制適格要件についての続きです。 2.支配関係がある場合 (1)金銭その他の資産の不交付 こちらは1.(1)と同様です。 (2)従業者が引き続き業務に従事 法人税法 第2条 12の8 ロ ・・・ (1) 当該合併に係る被合併法人の当該合併の直前の従業者…

組織再編税制 vol.2 - 合併 Part.2 -

次に税制適格要件について整理します。 各パターンに分けて説明します。 1.完全支配関係がある場合 (1)金銭その他の資産の不交付 原則として、合併の対価として金銭その他の資産を交付してはいけません。 ただし、次の場合は除きます。 法人税法 第2条…

組織再編税制 vol.1 - 合併 Part.1 -

今回から何回かに分けて組織再編税制について整理したいと思います。複雑な税制ですが、できる限りわかりやすく説明させて頂きます。 まずは、合併の場合です。 言葉の定義から入りましょう。会社法上、合併については吸収合併と新設合併が規定されています…

相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例

相続又は遺贈により、土地や建物、株式等を取得して、その後、一定の期間内に譲渡した場合、譲渡所得の計算上、取得費を加算する特例が設けられています。 当該特例を適用するためには、いくつかの条件があります。 (1)相続又は遺贈により財産を取得した…

完全支配関係がある会社間の自己株式の税務処理

完全支配関係がある会社間で自己株式を取得する場合(例えば、子会社が親会社が保有する子会社株式を取得する場合)の税務上の取り扱いについて整理します。 法人税法第24条に規定されるみなし配当事由に該当する完全支配関係がある法人から金銭その他の資産…

配偶者居住権の相続税法上の評価 - vol.1 -

配偶者居住権については相続税法上、次のとおり評価します。 (計算式) 評価額(配偶者居住権) = A − A × (B − C − D) ÷ (B − C) × E = A × {1 − (B − C − D) ÷ (B − C) × E} A:居住建物の相続税評価額 B:耐用年数 C:経過年数 D:存続年数…

財産評価 - vol.9 -

13.無道路地 財産評価基本通達20-3 (注) 1 無道路地とは、道路に接しない宅地(接道義務を満たしていない宅地を含む。)をいう。 無道路地の評価は、実際に利用している路線価に基づき不整形地の評価または地積規模の大きな宅地の評価により計算した価額…

財産評価 - vol.8 -

11.角地 財産評価基本通達 16 正面と側方に路線がある宅地(以下「角地」という。)の価額は、次の(1)及び(2)に掲げる価額の合計額にその宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価する (1) 正面路線(原則として、前項の定めにより計算した1平方メート…

農地を売却した時の税務上の取り扱い

(1)特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の譲渡所得の特別控除 個人の有する土地又は土地の上に存する権利が特定土地区画整理事業等のために買い取られる場合に該当することとなつた場合には、長期及び短期譲渡所得の計算上、2,000万円の…

財産評価 - vol.7 -

10.地積規模の大きな宅地 地積規模の大きな宅地とは以下の要件に該当する宅地です。 ・三大都市圏においては500平方メートル以上の地積の宅地 ・三大都市圏以外の地域においては1,000平方メートル以上の地積の宅地 ただし、以下の宅地は除きます。 財産評価…

不動産の証券化 vol.3 - 証券化の仕組み -

(vol.2から続く) 次に不動産の流動化における2つの類型を確認します。 1.資産流動化型スキーム 流動化の対象となる資産を所有している者(オリジネーター)が、ヴィークルに対象資産を移して、その資産の収益を原資として資金調達を行うタイプのスキー…

不動産の証券化 vol.2 - 証券化の仕組み -

(vol.1から続く) 不動産の証券化の概要をみたところで、次にどのように証券化するのか、基本的な仕組みについてみていきます。 その前に、証券化にあたってSPVやSPC、SPEやTMKといった略語が登場するので、こちらを整理しておきましょう。 証券化にあたっ…

税務上の非上場株式の評価 - vol.4 -

「同族株主以外の株主等が取得した株式」の評価については、次の条件に該当する場合、配当還元方式により行います。 財産評価基本通達 188 (1) 同族株主のいる会社の株式のうち、同族株主以外の株主の取得した株式 ・・・ (2) 中心的な同族株主のいる会…

税務上の非上場株式の評価 - vol.3 -

ここで、取引相場のない株式の原則的な評価方法を整理します。 財産評価基本通達178に則り、株式の発行会社の区分に応じて次のように評価します。 ■大会社 ・類似業種比準方式 ・純資産価額方式 ■中会社 ・次の算式により評価 (計算式) 類似業種比準価額*…

税務上の非上場株式の評価 - vol.2 -

所得税基本通達59−6をもう一度、参照します。 所得税基本通達 59−6 ・・・この場合、23~35共-9の(4)ニに定める「1株又は1口当たりの純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額」については、原則として、次によることを条件に、・・・「財産評…

税務上の非上場株式の評価 - vol.1 -

非上場株式の評価について、各取引パターンに分類したうえで株式の評価をどのように算定するのかについて整理してみたいと思います。 1.個人 → 法人 所得税法上、次のようなルールがあります。 所得税法 第59条 次に掲げる事由により・・・譲渡所得の基因…

株式等保有特定会社の概要 - vol.2 -

S1+S2方式 S1+S2方式は、評価対象となる会社の資産を株式等(S2)とそれ以外(S1)に分けて、S1については財産評価基本通達に定める原則的な方法(類似業種比準方式、純資産価額方式)に準じて処理します。S2については純資産価額方式により処理します。 なお…

馬券の払戻金の税務上の取り扱い

所得税基本通達を参照すると、競馬の馬券の払戻金については次のような記述があります。 所得税基本通達 34-1 次に掲げるようなものに係る所得は、一時所得に該当する。 ・・・ (2) 競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等(営利を目的とする継続的行…

株式等保有特定会社の概要 - vol.1 -

財産評価基本通達189(2)の要件に該当する会社は、株式等保有特定会社と判定されます。 (判定式) (株式等※1の価額 ÷ 総資産の価額) ≧ 50% ※1 株式、出資及び新株予約権付社債 また、財産評価基本通達189では、株式等保有特定会社の判定に当たっての…

資産管理会社&IPO - 相続税法の観点から -

財産評価基本通達185において、純資産価額は次のように定義されています。 (計算式) 純資産価額 = 各資産の合計額 − 各負債の合計額 − 評価差額に対する法人税額等に相当する金額 上記の計算式のうち、「評価差額に対する法人税額等に相当する金額」につ…

特定口座制度の概要

金融商品取引業者等に特定口座を開設した場合、特定口座内の上場株式等に関する譲渡所得については、特定口座外で計算した株式等の譲渡所得とは区分して計算します。 また、特定口座内の譲渡所得について源泉徴収を選択した場合、その特定口座の上場株式等の…

取得費不明の株式の所得税法上の取り扱い

所得税法上、株式を譲渡した際の譲渡所得は次のとおりに計算されます。 (計算式) 譲渡所得 = 総収入金額(譲渡価額)-必要経費(取得費+委託手数料等) (なお、株式の譲渡については、「上場株式等に係る譲渡所得等の金額」と「一般株式等に係る譲渡所…

社会保険 - 賞与支払届 -

事業主が健康保険・厚生年金保険の被保険者、70歳以上の被用者に賞与を支給した場合、支給日より5日以内に「健康保険・厚生年金保険 被保険者賞与支払届/厚生年金保険 70歳以上被用者賞与支払届」を日本年金機構に提出します。 ■提出書類:「健康保険・厚…

社会保険 - 定時決定 -

事業主が健康保険・厚生年金保険の被保険者、70歳以上の被用者の4月〜6月までの3ヶ月間の報酬月額を算定基礎届により提出します。厚生労働大臣は届出内容に基づいて標準報酬月額を決定します。これを定時決定といいます。 ■対象者:健康保険および厚生年…

農業協同組合に関する会計等について - vol.3 -

3.説明書類 信用事業・共済事業を行う組合は、説明書類の作成が求められます。 農業協同組合法 第54条の3 第十条第一項第三号又は第十号の事業を行う組合は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況に関する事項として農林水産省令で定めるものを記載した説…

農業協同組合に関する会計等について - vol.2 -

2.業務報告書 農協協同組合法 第54条の2 組合は、事業年度ごとに、業務及び財産の状況を記載した業務報告書を作成し、行政庁に提出しなければならない 業務報告書は次の事項について作成が必要です。 農業協同組合法施行規則 第202条 2 出資組合は、法第…

農業協同組合に関する会計等について - vol.1 -

農業協同組合(以下、「農協」)については、農業協同組合法等の法令により作成すべき決算書類が明示されています。ここでは農協が作成すべき決算書類としてどのようなものがあるのか?、また、それらはどのように作成すべきか?、といった論点を整理したい…

病院に関する会計 - vol.4 -

キャッシュ・フロー計算書は次の区分に分けて、資金収支の状況を表します。 ±業務活動によるキャッシュ・フロー・・・(A) ±投資活動によるキャッシュ・フロー・・・(B) ±財務活動によるキャッシュ・フロー ・・・(C) ±現金等の増加額(又は減少額) 現…

病院に関する会計 - vol.3 -

次は損益計算書についてです。 まずは目的について確認します。 病院会計準則 第28 損益計算書の作成目的損益計算書は、病院の運営状況を明らかにするために、一会計期間に属するすべての収益とこれに対応するすべての費用とを記載して当期純利益を表示し…

病院に関する会計 - vol.2 -

次は、財務諸表の各項目についてです。 まずは、貸借対照表について説明します。 貸借対照表の区分としては次のとおりです。 資産 - 流動資産 - 固定資産 負債 - 流動負債 - 固定負債 純資産 一般的な企業会計における貸借対照表と異なる部分は次のとおりで…