かいけいがく vol.14 - 有価証券 Part.1 -

(vol.13から続く)

 

今回は有価証券について解説します。

 

企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」(注1-2)

有価証券の範囲について
有価証券の範囲は、原則として、金融商品取引法に定義する有価証券に基づくが、それ以外のもので、金融商品取引法上の有価証券に類似し企業会計上の有価証券として取り扱うことが適当と認められるものについても有価証券の範囲に含める。

なお、金融商品取引法上の有価証券であっても企業会計上の有価証券として取り扱うことが適当と認められないものについては、本会計基準上、有価証券としては取り扱わないこととする。  

 

金融商品取引法 第2項

第二条 この法律において「有価証券」とは、次に掲げるものをいう。
一 国債証券
二 地方債証券
三 特別の法律により法人の発行する債券(次号及び第十一号に掲げるものを除く。)
四 資産の流動化に関する法律(平成十年法律第百五号)に規定する特定社債
五 社債券(相互会社の社債券を含む。以下同じ。)
六 特別の法律により設立された法人の発行する出資証券(次号、第八号及び第十一号に掲げるものを除く。)
七 協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号。以下「優先出資法」という。)に規定する優先出資証券
八 資産の流動化に関する法律に規定する優先出資証券又は新優先出資引受権を表示する証券
九 株券又は新株予約権証券
十 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)に規定する投資信託又は外国投資信託の受益証券
十一 投資信託及び投資法人に関する法律に規定する投資証券、新投資口予約権証券若しくは投資法人債券又は外国投資証券
十二 貸付信託の受益証券

・・・ 

 

有価証券の範囲はとても広く逐次に列挙していく方法が誤りが無いと思いますが、ここでは、以下のように考えるとします。

 

有価証券:株式や債券など会社等の法人に対する経済的権利の主張ができる証明書

 

このように有価証券を定義したところで、会計における取り扱いをみていきましょう!

 

会計においては以下のように区分して会計処理を考えていきます。

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ひとつずつみていきましょう。

 

売買目的有価証券

 

(定義)

財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則 第17項20

この規則において「売買目的有価証券」とは、時価の変動により利益を得ることを目的として保有する有価証券をいう。 

 

(会計処理)

企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」第15項

時価の変動により利益を得ることを目的として保有する有価証券(以下「売買目的有価証券」という。)は、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損益として処理する。  

 

(仕訳)

例)10,000で取得したA会社株式は当期末時点で12,000と評価された。

 

売買目的有価証券 2,000 / 有価証券評価益 2,000

 

有価証券そのものを売買することにより利益を得る目的で取得した場合、時価の変動は毎期末時点で評価して、取得価額との差額はその会計期間の損益となります。

 

(vol.15へ続く)