1対1 → 1対N & N対N ??
この世の中はあらゆる種類の関係性で成り立っています。
親と子、兄と弟、上司と部下、夫と妻、教師と生徒、先輩と後輩・・・
面白いのは立場や状況によって、関係は変わってくることです。
教師と生徒の関係にあるとします。教師にとっての教師、つまり教師は別の誰かの生徒である場合もあります。
上司と部下はどうでしょう。
課長と係長においては指揮命令系統の上下の関係にありますが、例えば部長にとって課長は部下であり、この場合、課長にとって部長は上司にあたります。
当然といえば当然ですが、普段はあまり考えないことではないでしょうか?
状況が変われば立場も変わる。その時に当人がどのような対応をするのか、どのような挙動をするのかといったことはとても示唆に富みます。
この状況ならこの人はこのように振る舞うのか!そんな発見があったりします。
会社と従業員の関係はどうでしょうか?
会社は従業員に対して金銭報酬や様々な機会を提供する一方、従業員は会社のために労働サービスを提供します。
この関係は長らく1対1、つまり1人の人間は1つの会社にずっと勤めるという終身雇用の関係でありました。
ずっと同じ組織で生きていく。そのような時代がありました。
では今はどうでしょうか?
終身雇用は綻びをみせて、自分でどのような仕事をしたいのか、どんな働き方をしたいのか、そういった個々の人々の考えにフォーカスしているように思います。
どちらに優劣があるというわけではありません。各々、考え方や何を素晴らしいと考えるかについては違いがあるのですから、自分に適した方法を取るだけの話だと思います。
最近、副業という言葉が流行っています。本業とは違うことを自分の時間を使って行うということだそうです。
私は副業ではなく”複業”と言ったほうが適切ではないかと考えています。
でも、それは昔から一般的であるし、今でも見方を変えればありふれた当たり前のことを指しているのではないかとも思います。
シェイクスピアの名言にこんなものがあるそうです。
この世は舞台、人はみな役者
家庭では父親である人間が、会社では上司を演じ、部下を演じる。学校に行けば生徒にもなったり、時には教師にもなったりする。地域社会の中で近所の1人であるが、配偶者にとってはかけがえのない人であったりする。
そのように人は様々な自分を己のうちに有しており、状況によって様々な演じ方をする。それがより明々白々になるような気がしてなりません。
とある組織では社長である人間が、別の組織では平社員。また別の組織では管理職であったりすれば、違う組織では外部のアドバイザー。そのように状況により、組織により、環境により人は劇的に演じ方を変える社会がくるのでは?という何となくの見通しの話でした。
おしまい。