かいけいがく vol.46 - ストック・オプション Part.3 -

(vol.45から続く)

 

権利確定日後

企業会計基準第8号「ストック・オプション等に関する会計基準

 

8. ストック・オプションが権利行使され、これに対して新株を発行した場合には、新株予約権として計上した額(第 4 項)のうち、当該権利行使に対応する部分を払込資本に振り替える。
なお、新株予約権の行使に伴い、当該企業が自己株式を処分した場合には、自己株式の取得原価と、新株予約権の帳簿価額及び権利行使に伴う払込金額の合計額との差額は、自己株式処分差額であり、平成 17 年 12 月改正の企業会計基準第 1 号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」第 9 項、第 10 項及び第 11 項により会計処理を行う。  

 

例)前提条件は以下の通りとする。

・ストック・オプションの数:1名あたり100個

・ストック・オプションの行使により与えられる株式数:1,000株

・行使時の払込金額:60,000円/株

・権利確定日:x4年6月末

・権利行使期間:x4年7月〜x6年6月

・付与日における公正な評価単価:7,000円/個

・退職による失効見込みは2名、権利確定日までの実際の退職者も2名であった。

 

x5年8月 ストック・オプションの行使 - 新株発行による場合

2名が権利行使したとする。

 

(仕訳)

現預金   12,000,000 / 資本金 13,400,000

新株予約権   1,400,000 

 

x5年9月 ストック・オプションの行使 - 自己株式の処分による場合

2名が権利行使したとする。自己株式の取得価額は1株あたり45,000円とする。

 

(仕訳)

現預金   12,000,000 /    自己株式               9,000,000

新株予約権   1,400,000   その他資本剰余金 4,400,000

 

また、権利が失効した場合は対応する部分を利益に計上する。

企業会計基準第8号「ストック・オプション等に関する会計基準

 

9. 権利不行使による失効が生じた場合には、新株予約権として計上した額(第 4 項)のうち、当該失効に対応する部分を利益として計上する。

この会計処理は、当該失効が確定した期に行う。

 

権利不行使による失効

 

(仕訳)

新株予約権 2,800,000 / 新株予約権失効益 2,800,000

 

(vol.47へ続く)