かいけいがく vol.62 - 税効果 Part.7 -

(vol.61から続く)

 

ここで法定実効税率について補足します。

 

企業会計基準適用指針第28号「税効果会計に係る会計基準の適用指針」

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何故、このような算式になるのか説明します。

 

法人税、地方法人税、住民税、事業税のそれぞれの税額は次のとおりに算定されます。

 

法人税額 = 課税所得 × 法人税

地方法人税額 = 課税所得 × 法人税率 × 地方法人税

住民税額 = 課税所得 × 法人税率 × 住民税率

事業税額 = 課税所得 × 事業税率

 

よって、合計税額は、

 

合計税額 = 法人税額 + 地方法人税額 + 住民税額 + 事業税額

     = 課税所得 × {(1+地方法人税率+住民税率)× 法人税

              + 事業税率}

となります。

 

合計の税率は課税所得に対する合計税額の割合なので、

 

合計税率 = 合計税額 / 課税所得

     = (1+地方法人税率+住民税率)× 法人税率 + 事業税率

 

事業税(所得割)は、納付する事業年度の損金に参入されることから、

法定実効税率を求めるにあたっては、合計税率から法定実効税率を乗じたものを引く。

 

  法定実効税率 = 合計税率 - 事業税率 × 法定実効税率

⇔ (1+事業税率)×法定実効税率 = 合計税率

⇔ 法定実効税率 = (1+地方法人税率+住民税率)× 法人税率 + 事業税率

           / (1+事業税率)

 

以上となります。

あとは根拠法令から税率を参照して、上記の式に当てはめることで、

法定実効税率が求められます。

 

(参考リンク)

 

法人税法 | e-Gov法令検索

地方法人税法 | e-Gov法令検索

法人事業税・法人都民税 | 税金の種類 | 東京都主税局

 

 (vol.63へ続く)