かいけいがく vol.70 - 連結 Part.8 -
(vol.69から続く)
今回は持分法を取り上げます。
前回までの話は連結子会社に対する会計処理についてでした。
非連結子会社と関連会社に対しては持分法を適用することになります。
6. 非連結子会社及び関連会社に対する投資については、原則として持分法を適用する。ただし、持分法の適用により、連結財務諸表に重要な影響を与えない場合には、持分法の適用会社としないことができる。
その際、持分法を適用する会社の財務諸表は連結子会社の財務諸表と同様の処理を行うことになります。
8. 持分法の適用に際しては、被投資会社の財務諸表の適正な修正や資産及び負債の評価に伴う税効果会計の適用等、原則として、連結子会社の場合と同様の処理を行う。
9. 同一環境下で行われた同一の性質の取引等について、投資会社(その子会社を含む。)及び持分法を適用する被投資会社が採用する会計方針は、原則として統一する。
10. 持分法の適用にあたっては、投資会社は、被投資会社の直近の財務諸表を使用する。投資会社と被投資会社の決算日に差異があり、その差異の期間内に重要な取引又は事象が発生しているときには、必要な修正又は注記を行う。
設例で確認しましょう。
例)x0年4月1日、P社は他社とともに、A社(資本金3,000)を設立した。
P社は出資比率20%、出資金600を出資した。
(P社、A社ともに3月決算であるとする。)
A社はP社の持分法適用会社となる。
x1年3月31日時点におけるA社のB/Sは以下の通りである。
(仕訳)
A社株式 80 / 持分法による投資損益 80*1
*1 400 × 20% = 80
x2年3月期のA社の当期純利益は500、配当を300支払ったとする。
その場合、x2年3月期の持分法の会計処理は次のとおりである。
(仕訳)
・開始仕訳
A社株式 80 / 利益剰余金期首残高 80
A社株式 100 / 持分法による投資損益 100*2
*2 500 × 20% = 100
・受取配当金
受取配当金 60 / A社株式 60*3
*3 300 × 20% = 60
上記のように、関連会社にかかる投資損益を投資勘定で加減することになります。
連結子会社は各勘定科目を合算することになりますが、持分法の場合、投資勘定の加減、投資損益でP/Lに反映することから「一行連結」とも呼ばれます。
(vol.71へ続く)