かいけいがく vol.76 - ヘッジ会計 Part.2 -

(vol.75から続く)

 

ヘッジ会計には大きく2つの方法があります。

 

原則的な方法は、ヘッジ手段に係る損益又は評価差額を、ヘッジ対象の損益が認識される時点まで純資産の部で繰り延べる方法(繰延ヘッジ)です。

ただし、ヘッジ対象に係る損益をヘッジ手段に係る損益と同一の会計期間に認識する方法(時価ヘッジ)も認められます。

 

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繰延ヘッジ:ヘッジ手段をヘッジ対象に合わせる

時価ヘッジ:ヘッジ対象をヘッジ手段に合わせる

 

ヘッジ手段にかかる損益は純資産の部で繰り延べられますが、ヘッジ会計の要件を満たさなくなった場合でも、ヘッジ対象に係る損益が認識されるまで引き続き、繰り延べられることになります。

ただし、ヘッジ対象の含み益が減少してヘッジ会計の終了時点で重要な損失が生じる場合には、損失相当を見積もり、損失として処理することになります。

 

ヘッジ会計においては、ヘッジ対象が消滅したときには繰り延べていたヘッジ手段にかかる損益又は評価差額を当期に損益処理することになります。

 

(vol.77へ続く)