かいけいがく vol.87 - キャッシュ・フロー計算書 Part.1 -
(vol.86から続く)
今回からはキャッシュ・フロー計算書についてです。
キャッシュ・フロー計算書は1会計期間のキャッシュ・フローの状況を報告するために作成されるものです。
1会計期間の収益及び費用の状況を報告するためにはP/Lがありますが、P/Lからはキャッシュ・フローの状況を読み解くことはできません。
そこで、キャッシュ・フロー計算書(以下、CF)を作成してキャッシュ・フローの状況を報告することになります。
まずCFが対象とする資金の範囲について確認しましょう。
B/Sに計上される現金預金の範囲とは異なることに注意が必要です。
現金:手許現金および要求払預金*1
現金同等物:容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか追わ
ない短期投資*2
*2 取得日から満期日まで3ヶ月以内の短期投資である定期預金等
期首から期末までの現金及び現金同等物の増減額が当会計期間のキャッシュ・フローとなります。
(イメージ)
現金及び現金同等物の期首残高 ××
現金及び現金同等物の期末残高 ●●
差額 △△
ただし、これだけだとCFの内訳としてどのような変動要因があったのかわかりません。
そこで、CF上では3つの区分にわけてキャッシュ・フローを表現します。
(イメージ)
・営業活動によるキャッシュ・フロー
・・・
小計 ■■・・・①
・投資活動によるキャッシュ・フロー
・・・
小計 ○○・・・②
・財務活動によるキャッシュ・フロー
・・・
小計 ××・・・③
現金及び現金同等物の増加額 △△・・・④=①+②+③
現金及び現金同等物の期首残高 ××
現金及び現金同等物の期末残高 ●●
差額 △△・・・④と一致
営業活動によるキャッシュ・フロー(以下、営業CF)は営業損益計算の対象となる取引のほか、投資及び財務活動のキャッシュ・フローに含まれない項目を記載します。
投資活動によるキャッシュ・フロー(以下、投資CF)は固定資産の取得や売却、短期投資の取得や売却等を記載します。
財務活動によるキャッシュ・フロー(以下、財務CF)は資金の調達および返済について記載します。
(vol.88へ続く)