かいけいがく vol.104 - 法人税 Part.2 -
(vol.103から続く)
法人税を取り巻くルールがわかったところで、実際にどのように法人税が求められるかについて確認しておきたいと思います。
法人税は法人の所得に対して課される税金です。
その所得ですが、以下のとおりに算定されます。
第二十二条 内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。
(算式)
所得 = 益金 - 損金
一方、企業会計上の利益は次のとおりに求められます。
(算式)
利益 = 収益 - 費用
所得と利益は互いに全く異なるものではなく、多くの部分で共通しています。
しかし、一致しない部分も含まれます。
よって、会計上の利益に各種の調整を行うことで所得の金額を計算します。
(これは申告調整といいます。)
所得 ≠ 利益
→利益 ± 益金算入/不算入、損金算入/不算入 = 所得
つまり、利益だが所得とならないもの(益金不算入、損金算入)は減算して、
利益ではないが所得となるもの(益金算入、損金不算入)は加算することによって、
利益から誘導的に所得を求めます。
上記の調整を行っている法人税申告書が別表4です。
別表4では会計上の利益から必要な調整を行うことによって、所得の金額を計算することになります。
企業会計ではストックとフローを貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)で表しますが、別表4は企業会計でいうところのP/Lに相当します。
では、税務上のB/Sに相当するものは何でしょうか?
それに対応するのが、別表5(1)です。
ここで言葉を確認しておきましょう。
十六 資本金等の額 法人(各連結事業年度の連結所得に対する法人税を課される連結事業年度の連結法人(以下この条において「連結申告法人」という。)を除く。)が株主等から出資を受けた金額として政令で定める金額をいう。
十八 利益積立金額 法人(連結申告法人を除く。)の所得の金額(第八十一条の十八第一項(連結法人税の個別帰属額の計算)に規定する個別所得金額を含む。)で留保している金額として政令で定める金額をいう。
別表5(1)では、毎期の所得の計算によって蓄積される利益の余剰部分の変動について記載されることになります。税務上の利益積立金は会計上の利益剰余金のようなものだと考えてもらえれば、イメージが湧きやすいかと思います。
(vol.105へ続く)