<Valuation>会社や事業に関する評価 - vol.6 -
・コスト・アプローチ
会社の純資産に着目して、事業の評価を行う手法がコスト・アプローチ(または、ネットアセット・アプローチ)と呼ばれるものです。
その中の修正簿価純資産法について解説します。
修正簿価純資産法は重要性が高い資産、負債を時価で再評価して評価を行うことになります。時価で評価する際ですが、継続して事業するのに必要な事業資産及び負債は再調達価額、つまり、再び購入するのにいくら必要になるか?、という視点で評価することになります。
事例で確認してみます。
例)前提条件は次のとおりとする。
・帳簿価額:資産50,000、負債20,000、純資産30,000
・時価と簿価の乖離に重要性が認められるもの
- 有価証券:投資目的の株式に含み損2,000
- 事業用地:鑑定評価を行い、3,000の含み益がある事がわかった
・発行済株式数:1,000株
・単位:千円
・実効税率:30%
(計算式)
簿価純資産30,000 - 株式の含み損1,400*1 + 3,000*2 = 31,600
*1 評価しようとする会社の事業に関連しない投資なので、税効果を加味する。
*2 事業に必要な資産なので、継続利用するため、税効果は考慮しない。
修正簿価純資産法を利用した場合の株式の評価額は次のとおりとなる。
31,600 ÷ 1,000 = 31.6千円/株
以上となります。
このように、重要性の高い項目を時価に置き換えてから会社の評価を行うことになります。
(vol.7へ続く)