かいけいがく vol.115 - 所得税 Part.1 -

今回からは所得税について解説していきます。

法人税は法人の”もうけ”に対して課税される税金であるのに対して、

所得税は個人の”もうけ”に対して課税される税金です。

 

個人の1月1日〜12月31日までの1年間の収入から必要経費を差し引いた、

”もうけ”である所得に対して税金が課されることになります。

 

収入 - 必要経費 = 所得

所得 × 税率 = 納付税額

 

まずは所得税の計算の全体像を把握するところから始めましょう。

 

①各所得の算定

②損益通算・純損失及び雑損失の繰越控除

課税標準の算定

④所得控除

⑤課税所得の算定

⑥税額の算定

⑦税額控除・源泉徴収

⑧納付税額の算定

 

順番にみていきましょう!

 

①各所得の算定

所得税法では、所得を10種類に分けて計算します。

これらは性質によって税金の負担能力が異なることを反映するものです。

 

ひとつずつみていきます。

ポイントは各所得の”定義”と”計算方法”をおさえることです。

 

(1)利子所得

(定義)

次の利子等が利子所得に該当します。

 ・公社債の利子

・預貯金の利子

・合同運用信託の収益の分配

・公社債投資信託の収益の分配

・公募公社債等運用投資信託の収益の分配

 

(計算方法)

利子所得 = 収入金額(税込)

 

利子所得は源泉徴収により課税関係は完了します。

特定公社債等の利子は申告分離課税を選択できます。

 

(2)配当所得

(定義)

・剰余金の配当

・利益の配当

・剰余金の分配

基金利息

投資法人からの金銭の分配又は投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託以外のもの)

・特定受益証券発行信託の収益の分配

・みなし配当

 

(計算方法)

配当所得 = 収入金額(税込) - 株式等を取得するための借入金利

 

配当所得は総合課税ですが、特定の取引は源泉徴収又は申告分離を選択することができます。

 

(3)不動産所得

(定義)

・土地や建物などの不動産の貸付け
・地上権など不動産の上に存する権利の設定及び貸付け
・船舶や航空機の貸付け

 

(計算方法)

不動産所得 = 総収入金額 - 必要経費

 

(vol.116へ続く)