かいけいがく vol.128 - 原価計算 Part.2 -

③製品別計算

 

原価要素を一定の製品単位に集計する手続が製品別計算です。この場合の製品単位は業種の特質に応じて適当に定めることになります。

 

製品別計算の類型としては以下の方式があります。

 

1.総合原価計算

- 1−1.単純総合原価計算

- 1−2.等級別総合原価計算

- 1−3.組別総合原価計算

 

2.個別原価計算

 

ひとつずつみていきます。

 

1−1.単純総合原価計算

 

同種の製品を反復・連続的に生産する場合の生産形態に適用する計算方法です。

単純総合原価計算では次のように原価を集計します。

 

期首仕掛品原価 + 当期製造費用

→ 完成品 + 期末仕掛品

 

1−2.等級別総合原価計算

 

同一工程において、同種製品を連続的に生産するが、その製品を形状や大きさ等によって等級に区別する場合に適用する計算方法です。

(例えば、大型のA製品と小型のB製品)

 

等級別総合原価計算では、各製品ごとにて等価係数を定めて、一定期間の完成品の総合原価または製造費用を等価係数に基づき製品に按分することになります。

 

1−3.組別総合原価計算

 

異種製品を組別に連続生産する場合に適用する計算方法です。

(例えば、ナイフとフォークをセットで作る)

 

組別総合原価計算では一定期間の製造費用を以下のように区分します。

 

組直接費(又は原料費) → 各組の製品に賦課

組間接費(又は加工費) → 各組に配賦

 

 

上記のいずれの方法によっても、原価の集計単位が期間生産量であることが特徴です。

つまり、継続製造指図書に基づいて一定期間の生産量について製造費用を算定して、期間生産量に負担させることになります。

 

総合原価計算における完成品と期末仕掛品への原価集計は次のように行います。

 

(ⅰ)期首仕掛品原価と当期製造費用を原則として、直接材料費と加工費に分けます。

(ⅱ)期末仕掛品の完成品換算量を直接材料費と加工費について算定します。

(ⅲ)期首仕掛品原価と当期製造費用を完成品と期末仕掛品に集計します。

(平均法、先入先出法など)

 

期末仕掛品の完成品換算量の算定が難しい場合、加工費はすべて完成品に負担させて、期末仕掛品は直接材料費のみの集計とすることが出来ます。

 

また、期末仕掛品は予定原価または正常原価によって評価できます。

期末仕掛品の数量が毎期等しい場合、当期製造費用をもって完成品総合原価とすることができます。

 

(vol.129へ続く)