かいけいがく vol.133 - 収益認識 Part.3 -

(2) 契約における履行義務を識別する

 

収益認識に関する2つめの段階が履行義務の識別です。

まずは履行義務の定義を確認しましょう。

 

企業会計基準第 29 号「収益認識に関する会計基準」 

7. 「履行義務」とは、顧客との契約において、次の(1)又は(2)のいずれかを顧客に移転する約束をいう。

(1) 別個の財又はサービス(あるいは別個の財又はサービスの束)

(2) 一連の別個の財又はサービス(特性が実質的に同じであり、顧客への移転のパターンが同じである複数の財又はサービス) 

 

財又はサービスが別個のものか、判定に当たっては以下の基準を參考にします。

 

企業会計基準第 29 号「収益認識に関する会計基準」 

34. 顧客に約束した財又はサービスは、次の(1)及び(2)の要件のいずれも満たす場合には、別個のものとする。

(1) 当該財又はサービスから単独で顧客が便益を享受することができること、あるいは、当該財又はサービスと顧客が容易に利用できる他の資源を組み合わせて顧客が便益を享受することができること(すなわち、当該財又はサービスが別個のものとなる可能性があること)

(2) 当該財又はサービスを顧客に移転する約束が、契約に含まれる他の約束と区分して識別できること(すなわち、当該財又はサービスを顧客に移転する約束が契約の観点において別個のものとなること) 

 

(1)はお客さんが当該サービスだけで利益を得られること、または他のものと組み合わせて利益が得られること、(2)は他のものと区別ができることを意味していますね。

 

以上が履行義務の識別です。

 

(3) 取引価格を算定する

 

3つめのプロセスが取引価格の算定です。

こちらも定義を確認しましょう。

 

企業会計基準第 29 号「収益認識に関する会計基準」 

8. 「取引価格」とは、財又はサービスの顧客への移転と交換に企業が権利を得ると見込む対価の額(ただし、第三者のために回収する額を除く。)をいう。 

 

つまり、商品を渡した時に対価として得られる金額が取引価格です。

 

取引価格の算定にあたっては次のすべての要素の影響を考慮します。

なお、取引価格の算定にあたっては、契約通りに財又はサービスは移転して契約の取消、更新又は変更はないものと仮定します。

 

(1) 変動対価

企業会計基準第 29 号「収益認識に関する会計基準」  第50項

顧客と約束した対価のうち変動する可能性のある部分を「変動対価」という。

(2) 契約における重要な金融要素

(3) 現金以外の対価

(4) 顧客に支払われる対価

 

(vol.134へ続く)