かいけいがく vol.136 - 時価 Part.1 -

2021 年 4 月 1 日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から、企業会計基準第 30 号「時価の算定に関する会計基準 」、企業会計基準適用指針第 31 号「時価の算定に関する会計基準の適用指針」が適用されることになります。

(以下、上記の会計基準および適用指針を「会計基準」とします)

 

(注)2021 年改正適用指針は、2022 年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首からの適用になります。

 

こちらについて内容をみてみましょう。

 

当該会計基準が適用される範囲は次のとおりです。

 

企業会計基準第 30 号「時価の算定に関する会計基準 」 第3項

(1) 企業会計基準第 10 号「金融商品に関する会計基準」(以下「金融商品会計基準」という。)における金融商品

(2) 企業会計基準第 9 号「棚卸資産の評価に関する会計基準」(以下「棚卸資産会計基準」という。)におけるトレーディング目的で保有する棚卸資産 

 

まずは、会計基準で述べられている時価の定義を確認します。

 

企業会計基準第 30 号「時価の算定に関する会計基準 」 第5項

時価」とは、算定日において市場参加者間で秩序ある取引が行われると想定した場合の、当該取引における資産の売却によって受け取る価格又は負債の移転のために支払う価格をいう。

 

ここで時価を算定する際の仮定について、会計基準で述べられている内容を確認します。会計基準ではこの仮定のことをインプットと呼びます。

 

企業会計基準第 30 号「時価の算定に関する会計基準 」 第4項

(5) 「インプット」とは、市場参加者が資産又は負債の時価を算定する際に用いる仮定時価の算定に固有のリスクに関する仮定を含む。)をいう。インプットには、相場価格を調整せずに時価として用いる場合における当該相場価格も含まれる。インプットは、次の観察可能なインプットと観察できないインプットにより構成される。

① 「観察可能なインプット」とは、入手できる観察可能な市場データに基づくインプットをいう。

② 「観察できないインプット」とは、観察可能な市場データではないが、入手できる最良の情報に基づくインプットをいう。 

 

インプットは内容によって、レベル1、レベル2、レベル3に区分します。

 

企業会計基準第 30 号「時価の算定に関する会計基準 」 第11項

時価の算定に用いるインプットは、次の順に優先的に使用する(レベル 1 のインプットが最も優先順位が高く、レベル 3 のインプットが最も優先順位が低い。)。

(1) レベル 1 のインプット

レベル 1 のインプットとは、時価の算定日において、企業が入手できる活発な市場における同一の資産又は負債に関する相場価格であり調整されていないものをいう。当該価格は、時価の最適な根拠を提供するものであり、当該価格が利用できる場合には、原則として、当該価格を調整せずに時価の算定に使用する。

(2) レベル 2 のインプット

レベル 2 のインプットとは、資産又は負債について直接又は間接的に観察可能なインプットのうち、レベル 1 のインプット以外のインプットをいう。

(3) レベル 3 のインプット

レベル 3 のインプットとは、資産又は負債について観察できないインプットをいう。当該インプットは、関連性のある観察可能なインプットが入手できない場合に用いる。

 

(vol.137へ続く)