すべての現象は条件付けに起因する、と思う。

『人間が引き起こすあらゆる行動は、その人間を取り囲む環境によって引き起こされる。環境を構成する要素によって形成された人格の結果である。おおよその結果は、それを引き起こす原因を特定していくと、環境について論じることになる。』

 

そのように考えた理由を書いてみたいと思います。

 

人間の行為を制約したりある方向へ誘導したりするようなウェブサイトやウェブコミュニティの構造、あるいは実際の社会の構造もアーキテクチャと呼ぶ。

アーキテクチャ
出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

最終更新 2021年6月17日 (木) 01:50 

 

アーキテクチャという用語は元々は建築の分野で使われていたようですが、次第に様々な分野で利用されることになった用語です。ここで記載した説明は、社会思想としてのアーキテクチャの説明です。

 

もうすこし引用してみます。

 

ローレンス・レッシグは、著書『CODE―インターネットの合法・違法・プライバシー』において、人間の行動を制約するものとして、法律、規範、市場、アーキテクチャの4つを挙げた。

取締りと刑罰によって行動を制約する(法律)、道徳を社会の全員に教え込んで行動を制約する(規範)、課税や補助金などで価格を上下させて行動を誘導する(市場)といった手法のほかに人間の行動を制約する手法として、社会の設計を変えることで社会環境の物理的・生物的・社会的条件を操作し人間の行動を誘導するという、「アーキテクチャによる制約」が考えられる。社会の仕組みを変え、ある選択肢を選びやすくする・ある行動を採ることが不快になるようにするといった環境に変えることにより、社会の成員が自発的に一定の行動を選ぶように誘導し、取り締まりを行ったり子供たちに規範を教育するよりも安いコストで社会を管理することができる。

アーキテクチャ
出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』

最終更新 2021年6月17日 (木) 01:50 

 

人間の行動を特定の方向に誘導するための要因として様々なことが挙げられていますが、社会の設計に着目した考え方があります。どのように社会を設計するのか、条件付けを行うのかについて、法でもなく、教え込むことでもなく、市場の原理に委ねることでもない、それ以外の方法、裁量により条件付けをした結果として、人間の行動をある方向に向かわせることを上記の説明では「アーキテクチャによる制約」と呼んでいます。

 

北風と太陽という話があります。旅人に着物を脱がせるために北風と太陽が勝負するといったイソップ寓話の一つです。法や教育によって影響を及ぼすことを”北風”とするならば、社会をある目的の達成のために設計することは”太陽”と呼べるかもしれません。

 

外圧により強制的に人間を方向づけるのではなく、そうせざるを得ないように条件を変える、設定するということです。

 

どちらかと言えば、人間を上手く方向づけるのは条件の設定を変えることが一番いいのではないか。そう考えています。成熟するほどに、個々人は自分の考え方をもっていて、他人からあれこれ言われても容易に考えを改めることは出来なくなるというのが印象です。

 

ですから、条件を変更することで動機づけすることはあらゆる局面で有効であるように思います。

 

設定を変更できる人物がそのような思惑があればの話ですが。