不正史 vol.1 - はじめに -
石川や 浜の真砂は 尽くるとも 世に盗人の 種は尽くまじ
かつて、大泥棒の石川五右衛門は釜茹での刑に処せられる時、このように詠んだといいます。有名な辞世の句ですので、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。
「時代が移り変わろうとも、世の中には悪いことをする人間は必ず出てくる。俺を処刑したところで、大した事はないよ。」、そんな感じでしょうか?
現代においても、様々な不正が世界中で発生しています。悪いことをする者は時代が変わっても存在する。残念ながら、石川五右衛門の言ったとおりの状況です。
どんなに技術が進歩しても、どれだけ経済的に豊かになってもです。
では、不正に対しては事後的に対応せざるを得ないのでしょうか?
発生しても、被害が小さいうちに発見して是正することは出来ないのでしょうか?
愚者は体験によって学ぶという。私は他人の経験によって利益を得ることを好む。
A fool learns from his experience. A wise person learns from the experience of others.
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」の訳のほうが有名でしょうか?
「”自分史”もいいが、”他人史”に学ぶことで利益を得ることもできるよ。私はそっちのほうが好きだね」、というわけです。
人類の歴史を振り返ると、数々の営みがあり、それぞれに学ぶことがあるので、歴史をしっかりと学びましょう!、学校ではそのように教えられます。
学校で教える歴史は政治史が中心ですが、不正の歴史(「不正史」とでも呼びましょう)に着目してみるとどうでしょうか?、思いがけない学びが得られるのではないでしょうか?
「後悔はするが、反省はしない。」
それでは悲しいので、本シリーズでは不正にまつわるあれこれを取り上げてみます。
(vol.2へ続く)