(趙匡胤 + 康煕帝)÷ 2 + 万暦帝 × 0.1

中国の歴史を学んでいて面白い事柄は様々ありますが、皇帝の人柄、人物像を考察してみるのは面白いです。人間模様を眺めるのは今も昔も変わらず、皆の興味関心があるところです。

 

中国の長い歴史の中には賢帝とされる王がいる一方、評価が芳しくない王もいたりします。良いところも悪いところも学んで、今に活かすことができるといいと思います。ここでは独断と偏見で何人かみてみましょう。

 

まずは、宋を建国した趙匡胤です。

 

自ら望んで皇帝の座に就いたのではないようですが、それでも一国を建国してトップにつくのですから相応の人徳があったのかもしれません。節度使を廃止したり、科挙に殿試(皇帝による面接)を追加したりと、様々な政策を実行していきます。

 

ちなみに、節度使を廃止したことで軍事力が弱くなり、「防衛、どうすんの?」となったので「敵にはお金をあげよう」ということで(澶淵の盟)、争いごとをお金で解決したそうです。とても生々しいですね。

 

趙匡胤はどうも温厚な人物であったせいか、統治も人民に優しくお店も深夜まで賑わいを見せるなど、皆が住みやすいものだったそうです。

 

次は清の第4代皇帝の康煕帝です。

 

国史上で誰が最も優れた皇帝か?

そう問われれば、おそらく唐の太宗(李世民)か康煕帝かというのが相場でしょうか。それほどまでに優れた人物であったし、良い治世であったと言われます。

 

在位61年は中国の皇帝で最長であり、他国のトップもファンだったそうです。軍事もできる、内政もバッチリ、人柄は良好、吐血するほどに勉学に励み、質素に暮らした・・・あまりに出来すぎなので、本当か?、と疑わしいところもないわけではありませんが、いずれにせよ優れた人物だったようです。

 

あと一人、明の万暦帝を紹介しましょう。

 

この皇帝も在位47年間も皇帝であり続けました。が、この皇帝が面白いのはそのうち30年ほどは”皇帝業”をサボって全く政治を執り行わなかったところです。

 

即位した最初の頃は、本人も気合があったそうで、部下の張居正と共に治世に励んだそうです。が、張居正は上司である万暦帝にも口うるさくあれこれと注文をつけたようです。

 

やる気があった万暦帝もモチベーションがだだ下がり、以降、引きこもり状態だったようです。

 

このように様々な皇帝たちが織りなす人間模様を眺めているだけでも中国史は面白いのですが、実際に組織のトップなら誰がいいでしょうか?

 

趙匡胤康煕帝のような、”バリキャリ”がいいのでしょうか?

少なくとも万暦帝のような皇帝は具合が悪そうですね。

 

いいとこ取り、趙匡胤の人柄、康煕帝の実務能力に万暦帝のだらしなさを少し足すくらいが丁度いいのかな、私はそう思います。あまりに、バリバリやり過ぎると、周りが疲れてしまいますし、かといってあまりにだらしないとモチベーションが上がりません。人柄だけでは治まるものでもないかもしれないので、それぞれの要素をバランスよく兼ね備えた人物がいいですね。

 

みなさんはどうでしょうか?