複式簿記のきほん
財務諸表の基本について以前に投稿しましたが、そもそも簿記がわからないと理解するのも大変かもしれません。
そこで、簿記について簡単に事例を交えながら解説してみたいと思います。
なお、以前にも総論的な話は書いたので、参考までに。
かいけいがく vol.1 - 総論 Part.1 - - かいけい日記
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かいけいがく vol.7 - 総論 Part.7 - - かいけい日記
それでは、簿記です。簿記とは帳簿を記入するための技術のことを指します。単式簿記(英:Single-Entry Bookkeeping )と複式簿記(英:Double-Entry Bookkeeping )の2つがあります。この2つは、取引をどのように記録するかの違いですが、現在は複式簿記が主流です。
単式簿記は簡単で特段の知識がなくても利用できる点が優れていますが、どうして主流の位置を占めるに至っていないのでしょうか?
例えば、以下のような、取引があったとします。
・12/1 元手100,000を出資して会社を設立した。
→12/1 資本金 100,000
・12/2 商品を10,000で現金仕入れした。
→12/2 仕入 10,000
・12/5 商品を16,000で現金売上した。
→ 12/5 売上 16,000
・12/10 取引先に手数料3,000を支払った。
→12/10 支払手数料 3,000
非常にわかりやすく明瞭なのですが、上記の方法では現金が今いくらあるのか?、借り入れはあるのか?、支払先に対する未払金額はいくらなのか?、といった情報がわかりません。つまり現在の財政状態(いくらお金を調達して、何に使っているのか)がわかりません。
そこで、複式簿記の出番です。
上記と同じ事例を複式簿記に従って記録してみましょう。
・12/1 元手100,000を出資して会社を設立した。
→12/1:現金 100,000 / 資本金 100,000
・12/2 商品を10,000で現金仕入れした。
→12/2:仕入 10,000 / 現金 10,000
・12/5 商品を16,000で現金売上した。
→12/5:現金 16,000 / 売上 16,000
・12/10 取引先に手数料3,000を支払った。
→12/10:支払手数料 3,000 / 現金 3,000
このように記録されます。
説明の都合上、1年間の取引が以上の取引だけとします。そうすると、決算書(1年間の会社の成績などを表すもの)が作成できます。
1年間の儲けはどうでしょうか?
売上:16,000
経費:10,000+3,000=13,000
利益:売上−経費=16,000−13,000=3,000
決算日(1年の終わり)では、財産の状態はどうなるでしょうか?
現金:100,000−10,000+16,000-3,000=103,000
これらのことを以下の図のように記載したりします。
利益を表す計算書が損益計算書(Profit and Loss Statement:P/L)、財産の状態を表す計算書が貸借対照表(Balance Sheet:B/S)と呼ばれます。利益は毎年、P/Lで計算されて、それがB/Sに繰り越されます(利益剰余金が利益の繰越額です)。
このように日々の取引を記録して、決算がきたら決算書を作成して、会社の成績や状態を報告するために簿記は利用されることになります。