出向者に関する会計処理 - vol.2 -

3.出向者が出向先法人で役員となっている場合

出向者が出向先法人で役員に就任している場合、役員給与の規定が適用されます。よって、次のいずれにも該当しない場合、役員給与は損金不算入となります。

(ここでは譲渡制限付株式等は説明を簡単にするため、省略します。)

 

・定期同額給与

・事前確定届出給与

・業績連動給与

 

なお、上記項目のいずれかに該当する場合でも、不相当に高額な部分は損金不算入となります。

 

法人税法 第36条

内国法人がその役員・・・に対して支給する給与(債務の免除による利益その他の経済的な利益を含む。)の額のうち不相当に高額な部分の金額として政令で定める金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

 

ここで法人税基本通達を確認しておきましょう。

 

法人税基本通達9-2-46

出向者が出向先法人において役員となっている場合において、次のいずれにも該当するときは、出向先法人が支出する当該役員に係る給与負担金の支出を出向先法人における当該役員に対する給与の支給として、法第34条《役員給与の損金不算入》の規定が適用される。

(1) 当該役員に係る給与負担金の額につき当該役員に対する給与として出向先法人の株主総会、社員総会又はこれらに準ずるものの決議がされていること。

(2) 出向契約等において当該出向者に係る出向期間及び給与負担金の額があらかじめ定められていること。

 

上記要件を満たした役員に対する給与は定期同額給与等として扱われます。不相当に高額でない場合、損金算入となります。

 

(参考)

No.5211 役員に対する給与(平成29年4月1日以後支給決議分)|国税庁