みなし役員について - vol.1 -
会社法で定める役員の範囲と税務上の役員の範囲はイコールではありません。法人税法上、役員と同等とみなす者をみなし役員といいます。
こちらについて条文を確認しておきましょう。
法人税法 第2条第15号
十五 役員 法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人並びにこれら以外の者で法人の経営に従事している者のうち政令で定めるものをいう。
まずは以下の者は法人税法上の役員に該当します。
・取締役
・執行役
・会計参与
・監査役
・監事
・清算人
上記とは別に、会社の経営に従事している者も役員とされます。
どのような場合が役員に該当するのか、確認しましょう。
法人税法施行令 第7条
第七条 法第二条第十五号(役員の意義)に規定する政令で定める者は、次に掲げる者とする。
一 法人の使用人(職制上使用人としての地位のみを有する者に限る。次号において同じ。)以外の者でその法人の経営に従事しているもの
二 同族会社の使用人のうち、第七十一条第一項第五号イからハまで(使用人兼務役員とされない役員)の規定中「役員」とあるのを「使用人」と読み替えた場合に同号イからハまでに掲げる要件のすべてを満たしている者で、その会社の経営に従事しているもの
上記の通り、要件は大きく2つあります。いずれかに該当すると役員とみなします。
①.法人の使用人以外のもので法人の経営に従事
法人税法施行令 第71条第1〜4号
一 代表取締役、代表執行役、代表理事及び清算人
二 副社長、専務、常務その他これらに準ずる職制上の地位を有する役員
三 合名会社、合資会社及び合同会社の業務を執行する社員
四 取締役(指名委員会等設置会社の取締役及び監査等委員である取締役に限る。)、会計参与及び監査役並びに監事
②.同族会社の使用人のうち次に掲げる要件の全てを満たしている者で、次の要件をすべて満たす者で、法人の経営に従事
(1)株主グループ*1の第1〜3順位を合計した内、第1順位にある所有割合が50%を超えるグループに属している
(2)その使用人の属している株主グループの割合が10%を超えている
(3)その使用人*2の所有割合が5%を超えている
法人税法施行令第71条第5号の条文にある「役員」は「使用人」と読み替えます。
法人税法施行令 第7条第2号
二 同族会社の使用人のうち、第七十一条第一項第五号イからハまで(使用人兼務役員とされない役員)の規定中「役員」とあるのを「使用人」と読み替えた場合に同号イからハまでに掲げる要件のすべてを満たしている者で、その会社の経営に従事しているもの
*1 株主グループには株主等と特殊な関係にある個人と法人を含みます。
法人税施行令 第71条第2号
前項第五号に規定する株主グループとは、その会社の一の株主等(その会社が自己の株式又は出資を有する場合のその会社を除く。)並びに当該株主等と法第二条第十号(定義)に規定する特殊の関係のある個人及び法人をいう。
*2 配偶者とこれらの者で所有割合が50%を超える会社を含みます。
(参考)
(vol.2へ続く)