中小企業の会計に関する指針 - vol.1 -
日本商工会議所等から、中小企業が計算書類を作成する際の指針として、「中小企業の会計に関する指針」が公表されています。会社法において、株式会社と持分会社は一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従い、計算書類の作成が義務付けられています。
まずは株式会社に関するルールを確認しましょう。
会社法 第431条、435条
第四百三十一条 株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。
第四百三十五条 株式会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。
2 株式会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならない。
会社計算規則 第59条
第五十九条 法第四百三十五条第二項に規定する法務省令で定めるものは、この編の規定に従い作成される株主資本等変動計算書及び個別注記表とする。
次に、持分会社に関するルールについてです。
会社法 第614条、617条
第六百十四条 持分会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。
第六百十七条 持分会社は、法務省令で定めるところにより、その成立の日における貸借対照表を作成しなければならない。
2 持分会社は、法務省令で定めるところにより、各事業年度に係る計算書類(貸借対照表その他持分会社の財産の状況を示すために必要かつ適切なものとして法務省令で定めるものをいう。以下この章において同じ。)を作成しなければならない。
会社計算規則 第71条
第七十一条 法第六百十七条第二項に規定する法務省令で定めるものは、次の各号に掲げる持分会社の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。
一 合名会社及び合資会社 当該合名会社及び合資会社が損益計算書、社員資本等変動計算書又は個別注記表の全部又は一部をこの編の規定に従い作成するものと定めた場合におけるこの編の規定に従い作成される損益計算書、社員資本等変動計算書又は個別注記表
会社法等のルールに従い、株式会社と合同会社は次の決算書類を作成する必要があります。
(株式会社・合同会社)
・株主資本等変動計算書
・個別注記表
(合名会社・合資会社)
「中小企業の会計に関する指針」の適用対象となるのは、以下を除いた株式会社です。
「中小企業の会計に関する指針」
4.本指針の適用対象とする株式会社
(1) 金融商品取引法の適用を受ける会社並びにその子会社及び関連会社
(2) 会計監査人を設置する会社(大会社以外で任意で会計監査人を設置する株式会社を含む。)及びその子会社
その他の特例有限会社等についても、計算書類の作成に当たって本指針を参照することが推奨されています。
「中小企業の会計に関する指針」
(参考)
(vol.2へ続く)