減損損失の税務

減損会計については、以前に解説しました。

tandonch.hatenablog.com

 

今回は減損損失の税務上の取り扱いについて解説してみます。

例えば、とある償却性資産に対して減損損失を計上した場合を考えてみましょう。

その場合の会計上の処理は次のとおりです。

 

(仕訳)

減損損失 ×× / 減損損失累計額 ××

 

税務上、資産の評価損について損金算入が認められる場合は限定されます。

 

法人税法 第33条

第三十三条 内国法人がその有する資産の評価換えをしてその帳簿価額を減額した場合には、その減額した部分の金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。

2 内国法人の有する資産につき、災害による著しい損傷により当該資産の価額がその帳簿価額を下回ることとなつたことその他の政令で定める事実が生じた場合において、その内国法人が当該資産の評価換えをして損金経理によりその帳簿価額を減額したときは、その減額した部分の金額のうち、その評価換えの直前の当該資産の帳簿価額とその評価換えをした日の属する事業年度終了の時における当該資産の価額との差額に達するまでの金額は、前項の規定にかかわらず、その評価換えをした日の属する事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。

 

法人税法施行令 第68条

第六十八条 法第三十三条第二項(資産の評価損の損金不算入等)に規定する政令で定める事実は、物損等の事実・・・及び法的整理の事実・・・とする。

・・・

三 固定資産 次に掲げる事実
イ 当該資産が災害により著しく損傷したこと。
ロ 当該資産が一年以上にわたり遊休状態にあること。
ハ 当該資産がその本来の用途に使用することができないため他の用途に使用されたこと。
ニ 当該資産の所在する場所の状況が著しく変化したこと。
ホ イからニまでに準ずる特別の事実

 

上記の通り、税制上、減損損失が損金として認められる場合は殆どありません。よって、会計上、減損損失を計上した場合、申告調整が必要です。

 

ここで、減価償却の税務上の取り扱いについて復習しましょう。

減価償却費を計上した場合、法定耐用年数に基づいた償却限度額を超過する金額は別表4で加算(留保)されます。

 

(計算式)

当期償却額 - 償却限度額 = 償却超過額(加算・留保)

 

この時、上記の当期償却額に減損損失は含まれることになります。

法人税基本通達 7-5-1

7-5-1 法第31条第1項《減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法》に規定する「償却費として損金経理をした金額」には、法人が償却費の科目をもって経理した金額のほか、損金経理をした次に掲げるような金額も含まれるものとする。

・・・

(5) 減価償却資産について計上した除却損又は評価損の金額のうち損金の額に算入されなかった金額

(注) 評価損の金額には、法人が計上した減損損失の金額も含まれることに留意する。

・・・

 

例)償却性資産に対して減損損失1,000を認識した。当期の償却費は100、償却限度額は80とする。

 

償却超過額

= (100+1,000) − 80

= 1,020

 

(参考)

法人税法 | e-Gov法令検索

法人税法施行令 | e-Gov法令検索

第5節 償却費の損金経理|国税庁