指揮命令系統に対する大きな勘違い

昨今、社会的な不祥事が起こった場合、組織内で調査されて報告書として公開されることがあります。そちらの報告書を読んでいて思うことの一つに、「組織内での意思決定する立場にある者が大きな勘違いをしているのではないか?」といったことがあります。

 

指揮命令系統の中での上位・下位の関係は決して人間としての優劣ではなく、それぞれの役割の違いに過ぎません。が、自らの責任を、役割を全く理解せずに、部下に好き勝手なことを喚き散らしたり、関係性の本当の意味を理解せずに傲慢に、居丈高に振る舞う場合があるように思われます。

 

それが許容されない時代になっていることは誰の目にも明白でしょう。ですが、そういった旧態依然とした文化が組織の枠組みという”カーテン”で仕切られてしまっていて、閉鎖的な空間が作られてしまうと、容易に温存されるといったところに一種の恐ろしさがあります。

 

何か仕事が上手くいかない場合、部下を罵倒するような者もいます。もちろん、業務上、必要な指導ならば(大抵の場合)問題ないのですが、それを超えて感情的になってしまう場合もあります。諭す、叱るのではなく、単純に感情的に怒る。

 

本来は、失敗にはお互いの落ち度があるのですから、一緒により良い解決法を模索していくのが一番、効率的かつ生産的なはずです。それを放棄して、一方的に部下の責任とする管理者は役割を全うできるとは思えません。

 

まずは、組織内での役割の違いを優劣だと勘違いしないこと。それから始めるのが、この文化を打破する一番の近道ではないかと思います。