資本連結 - vol.2 -

4.非支配株主持分の処理

子会社の資本のうち、親会社に帰属しない部分は非支配株主持分と呼ばれます。支配獲得日において、子会社の資本のうち、親会社に帰属する部分は投資と資本の相殺消去、それ以外の非支配株主に帰属する部分は非支配株主持分として処理します。

 

例)例)P社はA社の株式60%を2020年4月1日に65,000で取得した。支配獲得時点のA社のB/Sは以下のとおりである。

 

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支配獲得時点における土地の評価額は6,000である。それ以外の資産については簿価と時価に差異はないものとする。また、税効果は考慮外とする。

 

(仕訳)

・A社修正仕訳

土地 1,000 / 評価差額 1,000

 

・連結修正仕訳

資本  100,000  / A社株式     65,000

評価差額 1,000    非支配株主持分 40,400*1

のれん  4,400

*1 (100,000+1000)× 40% = 40,400

 

ルールも確認しておきましょう。

企業会計基準第 22 号「連結財務諸表に関する会計基準

26. 子会社の資本のうち親会社に帰属しない部分は、非支配株主持分とする。 

(注7) 非支配株主持分について

(1) 支配獲得日の子会社の資本は、親会社に帰属する部分と非支配株主に帰属する部分とに分け、前者は親会社の投資と相殺消去し、後者は非支配株主持分として処理する。

(2) 支配獲得日後に生じた子会社の利益剰余金及び評価・換算差額等のうち非支配株主に帰属する部分は、非支配株主持分として処理する。

 

(vol.3へ続く)