成果連結 - vol.2 -

3.未実現利益の消去

グループ会社の間で商品などを販売した場合、売り手が得た利益は内部利益であって、グループ外部へ販売されるまでは、まだ実現していない利益です。期末時点でグループ会社の間で取引された商品などにこのような内部取引に絡む利益が含まれる場合、それを消去するための仕訳を連結修正仕訳として計上します。

 

設例で確認しましょう!

 

棚卸資産の場合

例)親会社P社は子会社A社に対して、1,000で仕入れた商品を1,200で販売した。期末時点でA社は当該商品を保有している。

 

(仕訳)

売上原価 200 / 棚卸資産 200*1

*1 1,200 - 1,000 = 200

 

・固定資産

例)親会社P社は子会社A社に対して機械装置(取得原価:10,000)を15,000で売却した。耐用年数は5年であり、残存価額は0とする。

 

(仕訳)

・売却益の消去

固定資産売却益 5,000 / 機械装置 5,000*2

*2 15,000 - 10,000 = 5,000

 

減価償却費の消去

減価償却累計額 1,000 / 減価償却費 1,000*3

*3 A社の個別上、各年の機械装置に関する減価償却費は次のとおりである。

15,000 ÷ 5 = 3,000

一方、連結上のあるべき減価償却費は次のとおりである。

10,000 ÷ 5 = 2,000

よって、連結上、修正すべき金額は次の通り計算される。

3,000 - 2,000 = 1,000