公益社団法人・公益財団法人 - vol.4 -
◾譲渡所得の特例
個人が法人に対して財産を寄附した場合、その財産の時価で譲渡したとして取り扱われます。
所得税法 第59条
次に掲げる事由により・・・譲渡所得の基因となる資産の移転があつた場合には、・・・譲渡所得の金額・・・については、その事由が生じた時に、その時における価額に相当する金額により、これらの資産の譲渡があつたものとみなす。
一 贈与(法人に対するものに限る。)又は相続(限定承認に係るものに限る。)若しくは遺贈(法人に対するもの及び個人に対する包括遺贈のうち限定承認に係るものに限る。)
二 著しく低い価額の対価として政令で定める額による譲渡(法人に対するものに限る。)
ですが、租税特別措置法に次のようなルールが明記されています。
租税特別措置法 第40条
国又は地方公共団体に対し財産の贈与又は遺贈があつた場合には、所得税法第五十九条第一項第一号の規定の適用については、当該財産の贈与又は遺贈がなかつたものとみなす。・・・
国や地方公共団体に対する財産を贈与した場合、当該財産の贈与はなかったものとします。
また、続けて次のようなルールがあります。
公益社団法人、公益財団法人・・・に対する財産・・・の贈与又は遺贈(当該公益法人等を設立するためにする財産の提供を含む。以下この条において同じ。)で、当該贈与又は遺贈が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与すること、当該贈与又は遺贈に係る財産・・・が、当該贈与又は遺贈があつた日から二年を経過する日までの期間・・・内に、当該公益法人等の当該公益目的事業の用に直接供され、又は供される見込みであることその他の政令で定める要件を満たすものとして国税庁長官の承認を受けたものについても、また同様とする。
つまり、一定の要件を満たした場合、公益社団法人・公益財団法人に財産を譲渡した場合も、財産の譲渡はなかったものとします。
(参考)
No.3108 国や地方公共団体又は公益を目的とする事業を行う法人に財産を寄附したとき|国税庁