信託に関する税務 - vol.5 -

2.法人課税信託

内国法人、外国法人、個人が法人課税信託の引受けを行う場合、法人税の納税義務者になります。法人課税信託においては、受託者が信託にかかる管理等を行うと共に、納税義務を負います。法人課税信託の場合、個人が受託者となった際は納税義務を負います。

法人税法 第4条第1、3、4項

内国法人は、この法律により、法人税を納める義務がある。ただし、公益法人等又は人格のない社団等については、・・・法人課税信託の引受けを行う場合・・・に限る。

3 外国法人は、・・・法人課税信託の引受けを行うとき・・・この法律により、法人税を納める義務がある。
4 個人は、法人課税信託の引受けを行うときは、この法律により、法人税を納める義務がある。

 

法人課税信託の受託者は信託財産等*1と固有財産等*2をを別のものとみなして、法人税法のルールを適用することになります。

*1 信託財産に属する資産及び負債並びに当該信託財産に帰せられる収益及び費用

*2 法人課税信託の信託資産等以外の資産及び負債並びに収益及び費用

例えば、受託者であるA社がB信託、C信託、D信託、そして固有財産等を有しているとします。その場合、B信託、C信託、D信託、そして固有財産等を別々の法人とみなして法人税を計算します。

法人税法 第4条の6 

法人課税信託の受託者は、各法人課税信託の信託資産等・・・及び固有資産等・・・ごとに、それぞれ別の者とみなして、この法律・・・の規定を適用する。

 

(その他)

・受託法人(会社でないものに限る。)は会社とみなします。

・内国法人と外国法人の判定は法人課税信託の信託された営業所、事務所その他これらに準ずるものが国内にある場合は内国法人、それ以外の場合は外国法人とします。

法人税法 第4条の7 

受託法人・・・又は法人課税信託の受益者についてこの法律の規定を適用する場合には、次に定めるところによる。

一 法人課税信託の信託された営業所、事務所その他これらに準ずるもの(次号において「営業所」という。)が国内にある場合には、当該法人課税信託に係る受託法人は、内国法人とする。
二 法人課税信託の信託された営業所が国内にない場合には、当該法人課税信託に係る受託法人は、外国法人とする。
三 受託法人(会社でないものに限る。)は、会社とみなす。