種類株式 - vol.1 -
以前に種類株式のB/S価額について投稿しました。
今回から何回かに分けて、種類株式の概要について整理したいと思います。
一般に株式と呼ばれているものは、「普通株式」と呼ばれるものです。会社法上、次の権利が株主の権利として定められております。
会社法 第105条
株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。
一 剰余金の配当を受ける権利
二 残余財産の分配を受ける権利
三 株主総会における議決権
つまり、普通株式を有する株主は次の権利を有します。
・剰余金配当請求権
・議決権
一方で、内容が異なる2種類以上の株式を発行することが認められています。こちらを普通株式と対比する形で、「種類株式」と呼びます。
会社法 第108条
株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる。
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ひとつずつみていきましょう。
1.剰余金の配当
普通株式に対して配当が優先する又は劣後する株式です。
(会社法108条第1項第1号)
2.残余財産の分配
普通株式に対して残余財産の分配が優先する又は劣後する株式です。
(会社法108条第1項第2号)
3.議決権制限株式
議決権の行使できる事項に制限がある株式です。
(会社法108条第1項第3号)
4.譲渡制限株式
株式を譲渡するに際して、会社の承認が必要となる株式です。
(会社法108条第1項第4号)
5.取得請求権付株式
株主が会社に株式の買い取りを請求できる権利が付与された株式です。
(会社法108条第1項第5号)
6.取得条項付株式
一定の事由を理由に、会社が株式の買い取りができる株式です。
(会社法108条第1項第6号)
7.全部取得条項付種類株式
会社がその全部の種類株式につき、買い取ることができる株式です。
(会社法108条第1項第7号)
8.拒否権付株式
株主総会または取締役会決議が必要な事項について、種類株主総会の決議も必要とすることができる株式です。
(会社法108条第1項第8号)
9.取締役・監査役の選任に関する種類株式
取締役・監査役の選任について、種類株主総会で選任することが出来る株式です。
(会社法108条第1項第9号)