非上場株式のみなし配当の特例 - vol.1 -

非上場株式についてはみなし配当についての特例が定められています。

そちらを確認する前に、みなし配当について整理します。

 

みなし配当とは、保有する株式を発行会社に譲渡した場合、資本の払い戻しに該当する部分を超過する金額を配当とみなして課税するルールを指します。

みなし配当は次の計算式で求めます。

 

みなし配当 = 交付金銭等の価額 − 資本金等の金額*1

*1 (資本金+資本剰余金) × 所有株式数 ÷ 発行済み株式数

 

株式を保有する個人が、株式を発行会社に対して譲渡した場合、当該所得は譲渡所得に該当しますが、上記の計算式で求めた金額については配当所得として課税されます。

所得税法 第25条 第1項

法人・・・の株主等が当該法人の次に掲げる事由により金銭その他の資産の交付を受けた場合において、その金銭の額及び金銭以外の資産の価額・・・の合計額が当該法人の同条第十六号に規定する資本金等の額のうちその交付の基因となつた当該法人の株式又は出資に対応する部分の金額を超えるときは、この法律の規定の適用については、その超える部分の金額に係る金銭その他の資産は、・・・剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配又は金銭の分配とみなす。
・・・

 

設例で確認しましょう。

例)A氏はB社が発行した株式をB社に対して譲渡した。前提となる条件は次のとおりである。

・資本金:1,000,000

・資本剰余金:500,000

・交付された金額:400,000

・A氏が譲渡した株式:200株

・B社の発行済み株式数:1,000株

 

(計算)

みなし配当

= 400,000 − (1,000,000+500,000)× 200 ÷ 1,000

= 400,000 − 300,000

= 100,000

 

よって、譲渡した株式に対する出資に対応する金額(300,000)を超過する金額(100,000)はみはし配当として配当所得として課税されます。