如何にして相手を倒すのか?

[原文]

對酒當歌 人生幾何 譬如朝露 去日苦多

 

[訳文]

酒を飲む時は大いに歌おうではないか

人の一生などどれほどのものだ

たとえるなら朝露のごときもの

過ぎ去りし日々はあまりに多い

 

『短歌行』曹操

 

こんな風流な曹操ですが、乱世に台頭するだけあって中々に豪胆です。

現代から推し量ることは出来ないですが、争いばかりに明け暮れたからこそ、

花鳥風月を嗜む、”マトモ”であるために必要なことだったのかもしれません。

 

負けることは即ち死を意味する時代です。

勝つために卑怯、ズルいといった考えはなかったのでしょう。

権謀術数の限りを尽くして、生き残ること、如何にして相手を倒すのかを

必死になって模索したのでしょう。

 

「昨日の友は今日の敵、昨日の敵は今日の友」

 

状況に応じて臨機応変に離合集散する。

疑心暗鬼、人間不信になってしまいそうですが、

千変万化する時代にあっては、対応できなければ即あの世行きです。

 

争いの時代は中々に示唆に富んでいます。

現代に応用できることがたくさんあるのではないでしょうか。

機微を捉えた逸話も多いですしね。

 

諸葛亮孔明による天下三分の計のとおりに、

曹操の魏、孫権の呉、劉備の蜀がお互いを牽制し合う”三国志”が成立したわけですが、

中国の長い歴史からみるとほんの一瞬の出来事です。

それが、これほどまでに後世まで語り継がれるのですから、面白いですね。