2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

信託に関する税務 - vol.5 -

2.法人課税信託 内国法人、外国法人、個人が法人課税信託の引受けを行う場合、法人税の納税義務者になります。法人課税信託においては、受託者が信託にかかる管理等を行うと共に、納税義務を負います。法人課税信託の場合、個人が受託者となった際は納税義…

信託に関する税務 - vol.4 -

受益者等課税信託についての基本的な考え方を整理したところで、その他の論点について、いくつか取り上げていきます。 ・受益権の譲渡 法人税基本通達 14-4-6 受益者等課税信託の受益者等がその有する権利の譲渡又は取得が行われた場合には、その権利の目…

信託に関する税務 - vol.3 -

(以降、法人税法を中心に税法を参照することにします。) もしも受益者が複数人いる場合、税法の取り扱いはどうなるでしょうか? 法人税法施行令 第15条第4項 ・・・受益者・・・が二以上ある場合・・・、・・・信託の信託財産に属する資産及び負債の全部…

目的を達成するために必要なこと

独断と偏見がけっこう含まれますが、目的を達成するために必要な要素は複数ある。それを列挙することは難しいですが、大切なことは以下の3つかと思います。 ・学ぶ ・考える ・実践する 学ぶことですが、周囲の状況に対して有効な対応を図るためには、必要…

複雑に見えることも分解すれば単純な要素の組み合わせ

一見、複雑に見えることもひとつひとつの要素に分けていくと、 とても簡素な部分に分けられるかと思います。 例えば、会社でも結局のところ、複数の要素の集合です。 会社 → 経営陣 → 製造部門 → 研究開発 → A製品開発課 → B製品開発課 → 購買部門 → 販売部…

すべては条件付け次第?

どんな人間も適正があります。何をやっても上手くいく人間は稀です。逆に何をやってもダメな人間は少ない、いやそんな人間はいない。適性の問題だと思います。自分の力を発揮できるところを見極めて、そこに時間とエネルギーを投入する。これが最良だと思い…

信託に関する税務 - vol.2 -

みなし受益者の要件については次の通り、規定されています。 法人税法施行令 第15条第1〜3項 法第十二条第二項(信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属)に規定する政令で定める権限は、信託の目的に反しないことが明…

信託に関する税務 - vol.1 -

信託についての税務上の取り扱いとしては、次の区分に分けられます。 1.受益者等課税信託 2.法人課税信託 3.集団投資信託 4.退職年金等信託 5.特定公益信託等 順番にみていきます。 1.受益者等課税信託 受益者等課税信託に関しては、受益者が信…

新株予約権 - vol.2 -

前回で新株予約権の概要については整理しました。 新株予約権 - vol.1 - - かいけい日記 まだまだ細かい論点はたくさんありますが、一旦はここまでとします。 詳細については会社法等を参照ください。 ここからは新株予約権に関する会計・税務について整理し…

申告納税制度における加算税の取り扱い

日本においては、給与所得者以外の事業者(個人事業者・法人)は自分で帳簿を作成して、納税額を算定し、納税する必要があります。各税目については納期限が設けられており、期限を超過して納めた場合等があった際には、ペナルティを支払うことになります。…

公益社団法人・公益財団法人 - vol.8 -

5.附属明細書 附属明細書の構成としては、次の通りです。 公益法人会計基準 第6 附属明細書 2 附属明細書の構成 附属明細書は、次に掲げる事項の他、貸借対照表及び正味財産増減計算書の内容を補足する重要な事項を表示しなければならない。(1) 基本…

公益社団法人・公益財団法人 - vol.7 -

2.正味財産増減計算書 公益法人会計基準では正味財産増減計算書を次のように区分します。 一般正味財産増減の部 − 経常増減の部 ・経常収益 ・経常費用 − 経常外増減の部 ・経常外収益 ・経常外費用 指定正味財産増減の部 正味財産期末残高 公益法人会計基…

公益社団法人・公益財団法人 - vol.6 -

財務諸表の各書類について、ひとつずつみていきます。 1.貸借対照表 公益法人会計基準では貸借対照表を次のように区分します。 資産 - 流動資産 - 固定資産 負債 - 流動負債 - 固定負債 正味財産 - 指定正味財産 (基本財産への充当額) (特定資産への充…

公益社団法人・公益財団法人 - vol.5 -

次に公益社団法人・公益財団法人についての会計について整理します。 内閣府公益認定等委員会から「公益法人会計基準」が公表されていますので、まずはこちらについて説明します。 ◾総論 当該会計基準の目的と適用範囲について、明記されています。 公益法人…

営業権の取り扱い

今回は、事業譲渡において事業を譲渡した際に発生する営業権(のれん)の取り扱いについて整理します。 まずは定義を確認しましょう。 所得税法 第2条18,19号第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 ・・…

公益社団法人・公益財団法人 - vol.4 -

◾譲渡所得の特例 個人が法人に対して財産を寄附した場合、その財産の時価で譲渡したとして取り扱われます。 みなし譲渡課税の処理について vol.1 - かいけい日記 みなし譲渡課税の処理について vol.2 - かいけい日記 所得税法 第59条 次に掲げる事由により・…

公益社団法人・公益財団法人 - vol.3 -

公益社団法人・公益財団法人の税務上の取り扱いについて、もう少しみていきます。 ◾みなし寄附金 法人税法 第37条5号 公益法人等がその収益事業に属する資産のうちからその収益事業以外の事業のために支出した金額(公益社団法人又は公益財団法人にあつては…

税率差異の概要 - vol.2 -

税率差異の原因となる項目としては何があるでしょうか? 以下に、主な要因を列挙してみます。 (税率差異の要因) ◾永久差異 ・交際費損金不算入 ・寄附金損金不算入 ・受取配当益金不算入 ◾評価制引当金 ◾住民税均等割 ・・・ では実際に、税率差異の分析を…

税率差異の概要 - vol.1 -

税効果会計を適用した場合に注記することが求められる項目として税率差異があります。 財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則 第八条の十二 前条の規定により税効果会計を適用したときは、次の各号に掲げる事項を注記しなければならない。 ・・・ …

匿名組合 - vol.2 -

2.税務上の取り扱い ①.匿名組合員の処理 匿名組合契約に基づいて匿名組合員が営業者から受ける利益の分配は雑所得として取り扱います。 所得税基本通達 36・37共-21 匿名組合契約に基づいて出資をする者(・・・「匿名組合員」という。)が当該匿名組合…

匿名組合 - vol.1 -

任意組合等についての概要については以前に解説しました。 ご興味があればそちらも参照ください。 任意組合等に対する出資者(組合員)に関する会計処理 - vol.1 - - かいけい日記 任意組合等に対する出資者(組合員)に関する会計処理 - vol.2 - - かいけい…

公益社団法人・公益財団法人 - vol.2 -

公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律 第4条 第四条 公益目的事業を行う一般社団法人又は一般財団法人は、行政庁の認定を受けることができる。 一般社団法人・一般社団法人が公益目的事業を行っている場合、公益社団法人・公益社団法人の認定…

公益社団法人・公益財団法人 - vol.1 -

町中を歩いていると、公益財団法人や公益社団法人といった言葉に出くわすこともあるかと思います。これらはどういった団体なのでしょうか? 「よく聞くけれど、よくわからない・・・」 そんな公益社団法人・公益財団法人について整理してみたいと思います。 …

失業保険の税務上の取り扱い

失業された方が受け取ることが出来る失業等給付に関する取り扱いについて整理します。雇用保険法上、失業等給付とは次の通りです。 雇用保険法 第10条 第十条 失業等給付は、求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付及び雇用継続給付とする。 こちらの失業等…

所得税 - 源泉徴収 vol.4 -

報酬・料金等を支払った場合、支払いを受ける個人・法人に応じて源泉徴収が必要になることがあります。 個人では弁護士や公認会計士等の資格者、プロ野球選手や外交官等に支払う報酬があります。法人では馬主である法人に支払う報酬は源泉徴収の対象となりま…

法人事業税の概要

法人事業税は法人が事業を営むに際して利用する行政サービスにかかる費用を負担する名目で課税される地方税の一つです。 法人事業税は次の区分に応じて課税されます。 1.資本金 > 1億円 ・資本割、付加価値割、所得割が課税される。 2.資本金 ≦ 1億円 …

法人住民税の概要

法人住民税は地方税の一つで地域で発生するコスト負担を法人に求めるものです。法人住民税は法人税割と均等割からなります。 ここでは、東京都を例にとって法人住民税の概要を解説します。 1.法人税割 東京都では超過税率による課税がされます。但し、一定…

所得税 - 源泉徴収 vol.3 -

給与所得者は毎月の給与から所得税等を控除された金額が支給されます。ですが、源泉徴収された金額は源泉徴収された方が納めるべき金額とは完全には一致しません。1年間に納めるべき金額と源泉徴収された金額を調整する手続きが年末調整です。 年末調整の手…

所得税 - 源泉徴収 vol.2 -

源泉徴収の対象となる給与所得の範囲について整理しましょう。まずは、所得税法上の、定義からみてみましょう。 所得税法 第28条 給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与・・・に係る所得をいう。 残業手当や休日出勤…

所得税 - 源泉徴収 vol.1 -

個人の方*1や会社が従業員に給与を支払ったり、弁護士等の専門家に報酬を支払う場合、支払毎に所得税と復興特別所得税(以下、所得税等)を差し引きます。これを源泉徴収といいます。源泉徴収された所得税等は原則として、翌月10日までに納付する必要があり…