2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

離婚した際の財産分与の税務上の取り扱い

離婚した場合、財産分与というものがあります。相手の請求に基づいて、もう一方の方に財産を渡すことをいいます。この時、財産分与が不動産(土地や建物)で行われる場合、分与をした方に譲渡所得が課せられます。 所得税基本通達 33-1の4 民法第768条《財…

確定申告 - 海外勤務者の取り扱い -

海外での転勤や出向した方の所得税の取り扱いについて整理します。 1.国内 ⇒ 海外 1年以上の予定で海外の支店等に勤務する場合、その方は非居住者と推定されます。非居住者が国外で働いて得た所得については原則、日本の所得税は課せられません。 ここで…

確定申告 - 配偶者控除・配偶者特別控除 -

配偶者も働いているケースでは、一定の要件に該当する場合、配偶者控除・配偶者特別控除の適用を受けられることがあります。 いくつかのケースに分けて考えてみましょう。 1.配偶者の合計所得金額 ≦ 48万円 配偶者の合計所得金額が48万円以下である場合、…

確定申告 - 医療費控除 vol.2 -

所得税法上、非課税となる項目の内、次の項目があります。 所得税法 第9条18号 次に掲げる所得については、所得税を課さない。 ・・・ 十八 保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第四項(定義)に規定する損害保険会社又は同条第九項に規定する外国損害…

やらなかったことの影響を認識することは難しい(T_T)

最近、とある本を読んでいて面白い気付きがありました。M&A関連の本だったのですが、会社を買収した失敗は減損会計等により顕在化するが、買収しなかったことの影響を知ることは簡単ではない。そのような記述でした。 (減損会計については次の記事を参考に…

確定申告 - 医療費控除 vol.1 -

所得税の計算上、所得控除の一項目として医療費控除があります。(こちらについては以前の記事も参照ください。) かいけいがく vol.118 - 所得税 Part.4 - - かいけい日記 復習のため、記載します。 ・医療費控除 (対象者) 納税者本人、本人と生計を一に…

地方税 - 個人事業税 -

個人が営む事業が特定の事業に該当する場合、個人事業税が課せられます。業種によって適用される税率は異なります。 個人事業税 = 課税標準額 × 税率 課税標準額からは事業主控除として290万円が差し引かれます。 例として、東京都に事業所がある個人の方に…

地方税 - 不動産取得税 -

不動産取得税は、不動産を取得するという担税力(税金を負担する力、納税できる能力)に着目して課税される地方税の一つです。家屋や土地を取得した場合、各都道府県が不動産を取得した方に対して課税することになります。 (課税の流れ) ①.不動産の取得に…

地方税 - 固定資産税 -

土地、家屋、償却資産(以下、固定資産)を保有している場合、各市区町村から課される税金として固定資産税があります。 (課税の流れ) ①.課税標準額の算定 毎年1月1日時点で、所有している固定資産について評価額を算定(=課税標準額) ↓ ②.固定資産税…

複数の会社から給与の支払いを受けている場合の源泉徴収

働き方が多様化してきたことに伴い、副業やパラレルワークといった言葉もよく聞かれるようになりました。言葉の意味するところは様々なようですが、複数の会社に属しながら働く方(例えば、会社役員など)もいらっしゃいます。そのような場合の源泉徴収はど…

お互いの出来ることを交換して社会を営む?

全くもって経済社会、お金を媒介にして商品やサービスを交換する社会を否定するわけではないのですが、お金を媒介にせずに、直接に商品やサービスをやり取り出来ないものでしょうか? それは物々交換というわけでなく、困っている人がいれば、問題を解決出来…

Stand Alone Complex的な社会の移り変わりについて

アニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』では、示し合わせたわけではないのに、独立した人々がある思想を媒介として似たような言動を示すことを称して、Stand Alone Complexと呼んでいます。作中では、”笑い男”なる人物の挙動を模倣する追従者たちが現れま…

成果連結 - vol.2 -

3.未実現利益の消去 グループ会社の間で商品などを販売した場合、売り手が得た利益は内部利益であって、グループ外部へ販売されるまでは、まだ実現していない利益です。期末時点でグループ会社の間で取引された商品などにこのような内部取引に絡む利益が含…

成果連結 - vol.1 -

連結修正仕訳は、資本連結と成果連結の2つに分類することが出来ることは以前に記載したとおりです。 ここでは、成果連結について整理していきます。 1.債権と債務の相殺 まずは、ルールの確認です。 企業会計基準第 22 号「連結財務諸表に関する会計基準…

資本連結 - vol.7 -

2.持分法(20%)→連結(70%) 例)P社はx1年4月1日にA社株式20%を22,000で取得して、持分法の適用会社とした。x1年4月1日時点におけるA社のB/Sは次のとおりである。 x1年4月1日時点における土地の評価額は6,000である。その他の資産・負債につ…

資本連結 - vol.6 -

前回までは資本連結の基本について解説してきました。ここからは、いくつかのパターンごとに資本連結の処理はどのように行うのかについて解説していきます。 (以下、かっこ内の割合は持分割合を指します。) 1.その他投資先(10%)→新規連結(60%) P社…

資本連結 - vol.5 -

7.子会社の時価発行増資 時価発行増資とは、会社が資金調達を行う際、発行価格を市場価格(時価)に近い価格で行う資金調達の形です。ここでは、子会社が時価発行増資を行った際の会計処理についてまとめておきます。 まずは先にルールを確認しておきまし…

資本連結 - vol.4 -

6.子会社株式の一部売却 子会社株式の一部を売却した際の連結上の会計処理について考えてみます。 先にルールの確認をしておきます。 企業会計基準第 22 号「連結財務諸表に関する会計基準」 第29項 29. 子会社株式を一部売却した場合(親会社と子会社の支…

資本連結 - vol.3 -

5.子会社株式の追加取得 子会社株式を追加取得した場合の処理についてです。 先にルールを確認しておきましょう。 企業会計基準第 22 号「連結財務諸表に関する会計基準」第28項 28. 子会社株式(子会社出資金を含む。以下同じ。)を追加取得した場合には…

資本連結 - vol.2 -

4.非支配株主持分の処理 子会社の資本のうち、親会社に帰属しない部分は非支配株主持分と呼ばれます。支配獲得日において、子会社の資本のうち、親会社に帰属する部分は投資と資本の相殺消去、それ以外の非支配株主に帰属する部分は非支配株主持分として処…

資本連結 - vol.1 -

連結財務諸表を作成する際には、各社の個別財務諸表を合算した後に、連結修正仕訳を折り込みます。連結修正仕訳は親会社の投資と子会社の資本の相殺を行う資本連結と各社の取引を相殺する成果連結に分けることが出来ます。 ここでは、資本連結について整理し…

指揮命令系統に対する大きな勘違い

昨今、社会的な不祥事が起こった場合、組織内で調査されて報告書として公開されることがあります。そちらの報告書を読んでいて思うことの一つに、「組織内での意思決定する立場にある者が大きな勘違いをしているのではないか?」といったことがあります。 指…

グループ法人税制 - vol.2 -

4.受贈益の取り扱い 法人税法上、益金の額に算入される金額として、無償による資産の譲り受け等についても含まれることになります。 法人税法 第22条第2項 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定…

何故、同期させるのか??

コミュニケーションの方法として、書く、読む、聞く、話す、そして考える。色々な使い方がありますが、何でも同期させれば良いというものではないかと。。。 話す・聞く:同期性コミュニケーション方法 書く・読む:非同期性コミュニケーション方法 事務的な…

グループ法人税制 - vol.1 -

完全支配関係がある法人の間で資産の譲渡などが行われた場合は課税を繰り延べて、譲り受けた法人において譲渡や売却が行われた時に当該金額を取り戻すという制度がグループ法人税制です。 1.概要 まずはルールを確認しましょう。 法人税法 第63条 内国法人…

よりよい成果を生み出すためには? - Google re:Work -

よりよい成果を生み出すために何が大切なのか?、どこの組織も悩みを抱えることに対して、様々な分析を行っているサイトにGoogle re:Workがあります。 rework.withgoogle.com 色々なことが検討されていますが、そのうちチームのパフォーマンスを向上させる重…

自社ポイント・他社ポイントに関する会計

本稿では、収益認識基準に基づいた自社ポイント・他社ポイントの会計処理について整理したいと思います。 1.自社ポイント 企業会計基準適用指針第 30 号「収益認識に関する会計基準の適用指針」 第48項 48. 顧客との契約において、既存の契約に加えて追加…

退職給付に関する税務処理

退職給付についての税務上の取り扱いを整理します。 退職給付に関する引当金を計上した場合、当該引当額は全額損金不算入とされます。この内、企業年金への掛金の拠出については支出した時に損金に算入されます。 法人税法施行令 第135条 第百三十五条 内国…

圧縮積立金等に関する税効果会計の適用

圧縮記帳の方法としては直接減額方式と準備金積立方式があります。ここでは、準備金積立方式で圧縮積立金を積み立てた場合の税効果会計の適用について解説します。 まずは、ルールを確認しましょう。 企業会計基準適用指針第 28 号「税効果会計に係る会計基…

資産除去債務に関する税効果会計の適用

資産除去債務について、有形固定資産の取得価額に加算された除去費用に関する減価償却費は、損金としては認められません。また、利息費用に関しても同様です。どちらとも、税務上、調整されることになります。 (仕訳イメージ) 計上時 有形固定資産 ×× / 対…