非代替性トークン(NFT:Non-Fungible Token)の法務・税務・会計 - vol.2 -

ここでブロックチェーンについて整理します。

まずは定義を確認します。

引用元:一般社団法人日本ブロックチェーン協会HP

URL:https://jba-web.jp/news/642

電子署名とハッシュポインタを使用し改竄検出が容易なデータ構造を持ち、且つ、当該データをネットワーク上に分散する多数のノードに保持させることで、高可用性及びデータ同一性等を実現する技術を広義のブロックチェーンと呼ぶ。」

上記内容だけですと、理解が進まないところがあるかと思いますので、他の定義も参照します。

引用元:総務省HP

URL:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd133310.html#:~:text=%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%B3%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%81%A8%E3%81%AF,3%2D3%2D1%EF%BC%89%E3%80%82

ブロックチェーン技術とは情報通信ネットワーク上にある端末同士を直接接続して、取引記録を暗号技術を用いて分散的に処理・記録するデータベースの一種であり、「ビットコイン」等の仮想通貨に用いられている基盤技術である

 

少しわかりやすくなりました。もう少し、他の情報も参照してみます。

引用元:一般社団法人全国銀行協会HP

URL:https://www.zenginkyo.or.jp/article/tag-g/9798/

ブロックチェーンとは、一般に、「取引履歴を暗号技術によって過去から1本の鎖のようにつなげ、正確な取引履歴を維持しようとする技術」とされています。

 

上記内容をまとめると以下のように記述できるかと思います。

ブロックチェーンは取引履歴(ブロック)を暗号技術により繋げます。各ブロックは取引記録と各ブロックを接続する情報から構成されます。取引記録は中央集権的に管理されるのではなく、ネットワーク上の複数のシステムが情報を保有・同期する「分散型台帳」という仕組みで管理されます。

NFTはブロックチェーン上で発行されるトークンを指します。つまり、ブロックチェーンはNFTを実現させるための技術的な基盤となります。

 

(参考)

「ブロックチェーンの定義」を公開しました | JBA | 一般社団法人 日本ブロックチェーン協会 | Japan Blockchain Association

非代替性トークン(NFT:Non-Fungible Token)の法務・税務・会計 - vol.1 -

NFT(Non-Fungible Token)について法務・税務・会計を下記にまとめてみたいと思います。筆者は技術的なところに関しては門外漢ですので、もしかすると記載内容について正確でない箇所があるかもしれませんが、その際はご指摘頂けますと助かりますm(_ _)m

 

まずは、NFTの定義から確認します。

引用元:ERC-721 NON-FUNGIBLE TOKEN STANDARD

A Non-Fungible Token (NFT) is used to identify something or someone in a unique way. This type of Token is perfect to be used on platforms that offer collectible items, access keys, lottery tickets, numbered seats for concerts and sports matches, etc. This special type of Token has amazing possibilities so it deserves a proper Standard, the ERC-721 came to solve that!

 

引用元:自民党デジタル社会推進本部 NFT政策検討PT「NFTホワイトペーパー(案) ~ Web3.0時代を見据えたわが国のNFT戦略 ~

・・・NFTとは、Non-Fungible Token(非代替性トークン)の略であり、ブロックチェーン上で発行される唯一無二(非代替)のデジタルトークン(証票)をいう。

 

引用元:Los Angeles Times『$69 million for digital art? The NFT craze explained』

The basic idea of the technology is fairly straightforward. An NFT — which stands for non-fungible token — is like a certificate of authenticity for an object, real or virtual. The unique digital file is stored on a blockchain network, with any changes in ownership verified by a worldwide network and logged in public. That means that the chain of custody is marked in the file itself permanently, and it’s practically impossible to swap in a fake.

 

上記を整理すると、NFTはブロックチェーン上で発行される代替不可能なデジタルトークンであり、当該内容を実現するための規格としてERC-721等があります。

 

ここで、ERC-721についてです。

引用元:ERC-721 NON-FUNGIBLE TOKEN STANDARD

The ERC-721 introduces a standard for NFT, in other words, this type of Token is unique and can have different value than another Token from the same Smart Contract, maybe due to its age, rarity or even something else like its visual. Wait, visual?

Yes! All NFTs have a uint256 variable called tokenId, so for any ERC-721 Contract, the pair contract address, uint256 tokenId must be globally unique. That said, a dapp can have a "converter" that uses the tokenId as input and outputs an image of something cool, like zombies, weapons, skills or amazing kitties!

ERC-721はNFTの標準的な規格であり、当該規格に準拠することによりNFTは一意的であり、他のスマートコントラクトのトークンとは希少性等の面で違いを有するということです。

 

(参考)

【弁護士が解説】 NFTとは? 法規制と実務上の留意点 - BUSINESS LAWYERS

平将明衆議院議員公式サイト

ERC-721 Non-Fungible Token Standard | ethereum.org

No.1525-2 NFTやFTを用いた取引を行った場合の課税関係|国税庁

書籍『NFTの会計税務』著:畠山謙人、販売:Amazon Services International, Inc.

メタップス社ICOに伴う会計処理について | RSM汐留パートナーズ

非代替性トークン(NFT):知っておきたい法律・税務・会計上の注意点 | PwC Japanグループ

 

NISA(Nippon Individual Savings Account)の概要

NISAは、毎年一定金額までの投資によって生じた利益を非課税とするものです。

こちらについては、金融庁からわかりやすい特設ページが開設されていますので、そちらを参照してください。

 

金融庁NISA特設ウェブサイト)

www.fsa.go.jp

 

(参考)

NISA拡充・恒久化、スタートアップ支援を強力に推進与党税制改正大綱が決定 | お知らせ | ニュース | 自由民主党

インセンティブ報酬の概要 - vol.2 -

4.リストリクテッド・ストック(RS:Restricted Stock)

こちらについては下記の記事を参照してください。

取締役等の報酬等として株式を無償交付する取引の会計処理 - vol.1 - - かいけい日記

取締役等の報酬等として株式を無償交付する取引の会計処理 - vol.2 - - かいけい日記

 

ここで、譲渡制限株式について整理します。

次の2点を満たす株式が譲渡制限付株式として定義されます。

法人税法施行令 第111条の2

・・・
一 譲渡・・・についての制限がされており、かつ、当該譲渡についての制限に係る期間・・・が設けられていること。
二 法第五十四条第一項の個人から役務の提供を受ける内国法人又はその株式を発行し、若しくは同項の個人に交付した法人がその株式を無償で取得することとなる事由・・・が定められていること。

 

さらに、譲渡制限付株式のうち、以下の2点を満たす株式が特定譲渡制限付株式として定義されます。

法人税法 第54条

・・・

一 当該譲渡制限付株式が当該役務の提供の対価として当該個人に生ずる債権の給付と引換えに当該個人に交付されるものであること。
二 前号に掲げるもののほか、当該譲渡制限付株式が実質的に当該役務の提供の対価と認められるものであること。

 

役務提供に係る費用の額について、特定譲渡制限付株式が交付されたときは、給与等が生じることが確定した日において損金に算入することになります。

 

(参考) 

法人税法 | e-Gov法令検索

法人税法施行令 | e-Gov法令検索

インセンティブ報酬の概要 - vol.1 -

日本公認会計士協会から公表されている会計制度委員会研究報告第 15 号『インセンティブ報酬の会計処理に関する研究報告 』、経済産業省から公表されている『「攻めの経営」を促す役員報酬-企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引-』等において、役員等に対して株式報酬や業績連動報酬を付与する際の種々の論点についてまとめられています。

 

ここでは、インセンティブ報酬について、会計処理を中心に概括してみます。

 

1.ストック・オプション等

こちらは以前に解説した下記の記事を参照ください。

かいけいがく vol.44 - ストック・オプション Part.1 - - かいけい日記

かいけいがく vol.45 - ストック・オプション Part.2 - - かいけい日記

かいけいがく vol.46 - ストック・オプション Part.3 - - かいけい日記

かいけいがく vol.47 - ストック・オプション Part.4 - - かいけい日記

 

未公開企業が発行するストック・オプションについては別の論点があり、こちらは下記の記事で解説しました。

未公開企業のストック・オプションに関する取り扱い - 会計編 - - かいけい日記

未公開企業のストック・オプションに関する取り扱い - 税務編 vol.1 - - かいけい日記

未公開企業のストック・オプションに関する取り扱い - 税務編 vol.2 - - かいけい日記

 

2.従業員等に信託を通じて自社株式を交付する取引

こちらも下記の記事を参照してください。

日本版ESOPに関する会計処理 - vol.1 - - かいけい日記

日本版ESOPに関する会計処理 - vol.2 - - かいけい日記

 

3.権利確定条件付き有償新株予約権

こちらも下記の記事を参照してください。

権利確定条件付き有償新株予約権の取り扱い - 会計編 - - かいけい日記

 

(参考)

『「攻めの経営」を促す役員報酬-企業の持続的成長のためのインセンティブプラン導入の手引-』を改訂しました (METI/経済産業省)

会計制度委員会研究報告第15号「インセンティブ報酬の会計処理に関する研究報告」及び「公開草案に対するコメントの概要及び対応」の公表について | 日本公認会計士協会

 

役員・使用人に社宅を貸した場合

役員・使用人に社宅を貸している場合、ひと月あたり一定額以上の金額を使用人から受け取っていれば給与として課税されません。

 

一定額以上の金額とは、以下の①〜③の合計額をいいます。

 

①(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2パーセント

②  12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3(平方メートル))

③(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22パーセント

 

ただし、役員に貸している社宅が小規模住宅*1に該当しない場合、一定額以上の金額は次のような取り扱いとなります。

 

*1

引用元:国税庁HP

小規模な住宅とは、法定耐用年数が30年以下の建物の場合には床面積が132平方メートル以下である住宅、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には床面積が99平方メートル以下(区分所有の建物は共用部分の床面積をあん分し、専用部分の床面積に加えたところで判定します。)である住宅をいいます。

 

(1)社宅が自社所有の場合

A (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12パーセント

ただし、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には12パーセントではなく、10パーセントを乗じます。

B (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6パーセント

 

ひと月あたり一定額以上の金額 = ( A + B )× 1/12

 

(2)借り受けた社宅を貸している場合

C 会社が家主に支払う家賃の50パーセントの金額

D 上記(1)で算出した賃貸料相当額

 

CとDのいずれか大きい金額

 

No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき|国税庁

No.2600 役員に社宅などを貸したとき|国税庁

書評『多様性の科学』著:マシュー・サイド

組織が多様性な考え方を有することのメリットを様々な事例を通して考察しています。

人間というものは、同じような考え方の他人とばかり付き合う傾向があります。同じような考え方を有している他人とは気が合いやすく、一緒にいて心地いいからです。

もちろん、そのような”類は友を呼ぶ”、気心がしれた仲の関係も悪くはありませんが、今日の複雑化する問題に対処するには異なる視点を組み合わせることが有益、といったことが本書では述べられています。

 

有能な人間を集めたところでは、どうしても認識できない盲点を生じてしまう。多様な視点、考え方を持つ人間を集めれば、そういった死角を補完することができる。互いの利点を組み合わせて、より良好なパフォーマンスを発揮することができる。

 

直感的には理解しづらいところもあるかもしれませんが、読み進んでいくうちに経験と照らし合わせて納得感があった次第です。