FX(外国為替証拠金取引)の税務処理

FX(外国為替証拠金取引)の所得税法の取り扱いは次のとおりです。

 

1.差金決済で差益が生じる場合

先物取引に係る雑所得等」として取り扱い、所得税法上、税率15%で分離課税の対象となります。

 

2.差金決済で差損が生じる場合

他の「先物取引に係る雑所得等」とは損益通算することは出来ますが、それ以外の所得の間では損益通算出来ません。

 

ですが、一定の要件を満たせば、「先物取引に係る雑所得等の金額」は翌年以後3年間は繰り越すことができます。繰り越された損失額は当該年の「先物取引に係る雑所得等の金額」を限度として差し引くことができます。

 

(参考)

No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係|国税庁

No.1522 先物取引に係る雑所得等の課税の特例|国税庁

No.1523 先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除|国税庁

デット・エクイティ・スワップ(DES)の税務 - 債権者サイド -

デット・エクイティ・スワップ(以下、「DES」)に関する概要は以前に投稿しました。

デット・エクイティ・スワップ - 債権者側の会計処理 - - かいけい日記

 

今回は税務面からDESについて整理します。

 

1.債権者サイド

適格要件を満たさない現物出資に関しては非適格現物出資となります。この場合、取得する株式の価額は現物出資した金銭以外の資産(債権)の価額(時価)となります。

法人税法施行令 第119条第1項2

金銭の払込み又は金銭以外の資産の給付により取得をした有価証券・・・その払込みをした金銭の額及び給付をした金銭以外の資産の価額の合計額・・・

DESによる取引が合理的な再建計画に基づくものである等に該当しない場合、債権の帳簿価額と取得した株式の価額との差額は寄付金として扱われます。

法人税基本通達9−4−2を参照すると次のような記載があります。

法人税基本通達9−4−2(注)

(注) 合理的な再建計画かどうかについては、支援額の合理性、支援者による再建管理の有無、支援者の範囲の相当性及び支援割合の合理性等について、個々の事例に応じ、総合的に判断するのであるが、例えば、利害の対立する複数の支援者の合意により策定されたものと認められる再建計画は、原則として、合理的なものと取り扱う。

 

(参考)

法人税法施行令 | e-Gov法令検索

基本通達・法人税法|国税庁

外部協力者へのストックオプション税制の適用

従来、外部の協力者に対してはストックオプション税制の適用は認められていませんでしたが、一定の要件を満たす外部の協力者に対して、付与したストックオプションについてもストックオプション税制が適用されることになりました。

 

ストックオプション税制については下記もご参照ください。

未公開企業のストック・オプションに関する取り扱い - 税務編 vol.1 - - かいけい日記

未公開企業のストック・オプションに関する取り扱い - 税務編 vol.2 - - かいけい日記

 

(参考)

社外高度人材に対するストックオプション税制の適用拡大 (METI/経済産業省)

 

実際の運用に関しては上記の内容を参考にして手続きを進める必要があります。

 

地方税 - 事業所税 -

事業所税地方税法に定める地方税の一つです。

地方税法 第701条の30 

指定都市等は、都市環境の整備及び改善に関する事業に要する費用に充てるため、事業所税を課するものとする。

 

ここでは東京都を例に取ります。

事業所税には資産割従業者割の2つがあります。

地方税法 第701条の31 

事業所税について、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

・・・

二 資産割 事業所床面積を課税標準として課する事業所税をいう。
三 従業者割 従業者給与総額を課税標準として課する事業所税をいう。

・・・

納付すべき税額は次の通りに求めます。

・資産割:事業所床面積(平方メートル)×税率600円

・従業者割:従業者給与総額×税率0.25%

 

納付時期については次の通りです。

・個人:翌年3/15まで

・法人:事業年度終了の日から2ヶ月以内

 

納付は主たる事務所を所管する都税事務所にて申告・納付します。

 

(参考)

事業所税 | 税金の種類 | 東京都主税局

種類株式 - vol.2 -

種類株式を発行する場合、株主総会又は取締役会の決議により定款にその旨、定めることが必要です。

会社法 第108条第3項

3 前項の規定にかかわらず、同項各号に定める事項・・・の全部又は一部については、当該種類の株式を初めて発行する時までに、株主総会取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、・・・)の決議によって定める旨を定款で定めることができる。この場合においては、その内容の要綱を定款で定めなければならない。

 

基本的に株主は平等に取り扱うことが原則です。

会社法 第109条第1項 

株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。

ですが、種類株式の権利内容に応じて株主ごとに異なる取り扱いをすることが認めれます。

会社法 第109条第2項 

前項の規定にかかわらず、公開会社でない株式会社は、第百五条第一項各号に掲げる権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる。

 

種類株主に損害を与えるおそれがある場合、種類株主総会の決議がなければ、その効力は生じません。

会社法 第322条第1項 

種類株式発行会社が次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該行為は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない

 

種類株式 - vol.1 -

以前に種類株式のB/S価額について投稿しました。

種類株式の貸借対照表価額について - かいけい日記

 

今回から何回かに分けて、種類株式の概要について整理したいと思います。

 

一般に株式と呼ばれているものは、「普通株式」と呼ばれるものです。会社法上、次の権利が株主の権利として定められております。

会社法 第105条 

株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。

一 剰余金の配当を受ける権利

二 残余財産の分配を受ける権利

三 株主総会における議決権

 

つまり、普通株式を有する株主は次の権利を有します。

・剰余金配当請求権

残余財産分配請求権

・議決権

 

一方で、内容が異なる2種類以上の株式を発行することが認められています。こちらを普通株式と対比する形で、「種類株式」と呼びます。

会社法 第108条 

株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる。

・・・

 

ひとつずつみていきましょう。

 

1.剰余金の配当

普通株式に対して配当が優先する又は劣後する株式です。

会社法108条第1項第1号)

 

2.残余財産の分配

普通株式に対して残余財産の分配が優先する又は劣後する株式です。

会社法108条第1項第2号)

 

3.議決権制限株式

議決権の行使できる事項に制限がある株式です。

会社法108条第1項第3号)

 

4.譲渡制限株式

株式を譲渡するに際して、会社の承認が必要となる株式です。

会社法108条第1項第4号)

 

5.取得請求権付株式

株主が会社に株式の買い取りを請求できる権利が付与された株式です。

会社法108条第1項第5号)

 

6.取得条項付株式

一定の事由を理由に、会社が株式の買い取りができる株式です。

会社法108条第1項第6号)

 

7.全部取得条項付種類株式

会社がその全部の種類株式につき、買い取ることができる株式です。

会社法108条第1項第7号)

 

8.拒否権付株式

株主総会または取締役会決議が必要な事項について、種類株主総会の決議も必要とすることができる株式です。

会社法108条第1項第8号)

 

9.取締役・監査役の選任に関する種類株式

取締役・監査役の選任について、種類株主総会で選任することが出来る株式です。

会社法108条第1項第9号)