『ギムレットには早すぎる』
『ギムレットには早すぎる』
- レイモンド・チャンドラー著、『長いお別れ』より
カクテルには様々な映画や小説に登場して、物語を引き立てる”隠し味”のような役割を演じることがあります。
有名なところでは、『カジノ・ロワイヤル』でジェームズ・ボンドが飲んでいた、
ヴェスパー・マティーニなどは、知っている方も多いかもしれません。
また、人名に由来するものもあります。
ウォッカベースのカクテルである、ブラッディー・メアリーは
結構、強烈なネーミングですね(・_・;)
プロテスタントを弾圧したことで有名なメアリー1世にちなんだ名称ですね。
このようにカクテルにはそれにまつわる話があるわけですが、
これは料理全般にもいえることですよね。
一皿、一杯にまつわる逸話は探っていけばたくさんあるわけです。
以前、とある料理屋さんに食事に行った際に、店主の方から、
「これは○○産の××です。」
「こちらはタレでお召し上がりください」
といったように一品一品について説明してくださいました。
その時は何となく聞いていましたが、今にして思えば、そういった食材にまつわる
ストーリーも含めての料理だったのだなと想います。
どんな土地にいってもその土地でずっと作られている郷土料理があります。
どうやってつくっているか、製法はもちろんのこと、何故それがつくられるようになったのか、その背景まで含めて味わうことが面白いと思います。
人と同じで料理人もそれなりの”事情”があるでしょう。
味覚だけでなく、背景も味わうことが深く味わうことかもしれない、
そんなことをふと思いました。