小説『四畳半神話大系』著:森見登美彦

『可能性という言葉を無限定に使ってはいけない。我々という存在を規定するのは、我々がもつ可能性ではなく、我々がもつ不可能性である』

-樋口清太郎『四畳半神話大系

 

『我々の大方の苦悩は、あり得べき別の人生を夢想することから始まる。自分の可能性という当てにならないものに望みを託すことが諸悪の根元だ。今ここにある君以外、ほかの何者にもなれない自分を認めなくてはいけない。・・・』

-樋口清太郎『四畳半神話大系

 

『・・・腰の据わっていない秀才よりも、腰の据わっている阿呆のほうが、結局は人生を有意義に過ごすものだよ』

-樋口清太郎『四畳半神話大系

 

期待するほどに自分は偉大ではないが、落胆するほどに自分はヒドい存在ではない。

今ある現実だけを見据えなさい、学ぶことはそれかな??

 

どんな選択をしようと一変の淀みなく満足することは難しいが、どの選択肢もそれなりに楽しめる、薔薇色とは言えないかもしれないが、魅力的な面々に囲まれた日々はそれなりに彩りがある風景かもしれない。

 

幻想的な気分になりつつも、魅力的なキャラクターを巧みな筆致で描きつつ、捉えどころのない感覚に襲われる森見登美彦さんの真骨頂といったところです(●´ϖ`●)