かいけいがく vol.8 - 現金・預金 Part.1 -

(vol.7から続く)

 

前回までは、会計についての総論的な話について説明させていただきました。

 

ここからは個別の論点について、解説していきます。

 

取り上げる話題はいくつもありますが、経済活動においてはなくてはならない”お金”の話から取り上げましょう!

 

「・・・現金には、小口現金、手元にある当座小切手、送金小切手、送金
為替手形、預金手形、郵便為替証書及び振替貯金払出証書等を含むものとする。・・・ 」

引用元:令和3年2月 金融庁企画市場局「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(財務諸表等規則ガイドライン)15-1-1

 

「・・・預金は、金融機関(銀行、協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成5年法律第 44 号)第2条第1項に規定する協同組織金融機関及び金融商品取引法施行令(昭和 40 年政令第 321 号)第1条の9各号に掲げる金融機関をいう。以下同じ。)に対する預金、貯金及び掛金、郵便貯金並びに郵便振替貯金に限るものとする。・・・」

引用元:令和3年2月 金融庁企画市場局「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」の取扱いに関する留意事項について(財務諸表等規則ガイドライン) 15-1-2

 

わかりやすく言い直せば、以下のように説明できます。

(もちろん、厳密な解釈が必要な場合には適宜、参考となる基準等を参照してください。その際の一助となるように、できるだけ参照情報も合わせて記載します。)

 

現金:手元にある現金とその同等物

預金:預金と貯金、またはその同等物

 

日常的に使うお金の範囲は硬貨と紙幣だと思いますが、会計上はもう少し広い範囲を取り扱います。

 

どちらかというと預金のほうが日常の感覚と厳密な定義の部分が重なっているかと思います。

 

預金に関しては、いくつかの種類があるので、そちらも合わせて特徴を押さえましょう。ここでは代表的なものをいくつか取り上げます。

 

普通預金:社会的に広く使われる個人・法人ともに開設できる口座

 

引用元:一般社団法人全国銀行協会HP 教えて!くらしと銀行

URL https://www.zenginkyo.or.jp/article/keywords/5155/

普通預金サービスの内容や取扱いは、お取引銀行によって異なりますが、次のような豊富な機能が揃っています。

  • 預け入れは1円以上1円単位です。
  • 金利は変動金利で、満期がありません。
  • お金の出し入れが自由です。
  • 公共料金や家賃などの自動支払い、給与や年金などの自動受け取りができます。
  • 貯蓄預金や定期預金に比べて金利が低く設定されています。
  • 元本保証があります。
  • 預金保険の対象です。
  • 障がい者等のマル優の対象です。

 

当座預金:小切手や手形などの決済に利用する口座

 

引用元:一般社団法人全国銀行協会HP 教えて!くらしと銀行

URL https://www.zenginkyo.or.jp/article/keywords/5156/

手形や小切手の支払いに使われる預金が「当座預金」です。法律(臨時金利調整法)により利息を付けることが禁じられている預金です。しかし、当座預金は「決済用預金」に該当するため、万一銀行が破綻しても預金保険制度によって、利息がつく預金とは別に全額保護されます。

  • 企業や個人事業主が業務上の支払いに利用する預金です。
  • 預け入れは1円以上1円単位で、満期はありません。
  • 現金の代わりに、支払われた手形や小切手の決済をするための預金です。
  • 公共料金の自動支払いや株式配当金等の自動受け取りといった機能があります。
  • 元本保証があります。
  • 預金保険の対象です。
  • 利息がつきません。

 

その他も色々な種類の口座がありますが、まずはこの2つを理解しておけば特段の問題はありません。

 

(vol.9に続く)