かいけいがく vol.9 - 現金・預金 Part.2 -

(vol.8から続く)

 

現金・預金についての基本を押さえたところで、早速、いくつか仕訳をみてみましょう。

 

(仕訳)

 

例)受取配当金1,000を現金で受け取った。

現金 1,000 / 受取配当金 1,000

 

例)10,000の追加出資の内、5,000ずつを資本金と資本剰余金に組み入れた。

現金 10,000 / 資本金   5,000

         資本剰余金 5,000

 

例)売掛金3,000が普通預金口座に入金された。

普通預金 3,000 / 売掛金 3,000

 

例)買掛金4,000の支払いのため、自社の普通口座から取引先の口座に振り込んだ。

買掛金 4,000 / 普通預金 4,000

 

現金と預金は会社のあらゆる取引で登場する勘定科目です。処理の方法としては、難しくはありませんので、ひとつひとつ丁寧に追っていくことが大切です。

 

細かい論点はいくつかありますが、ここでは詳述しません。

解説している本や記事はたくさんありますので、そちらをご参照ください。

 

一点だけ、表示上の注意点を述べます。

定期預金の長期と短期の区分です。

 

企業会計原則 注解16

現金預金は、原則として、流動資産に属するが、預金については、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に期限が到来するものは、流動資産に属するものとし、期限が一年をこえて到来するものは、投資その他の資産に属するものとする。 

 

資産と負債は1年基準というもので流動と固定に区分されます。

 

流動資産か固定資産か、流動負債か固定負債か。これを決める手だての一つとして定められているのがワン・イヤー・ルール。つまり決算日後1年の間に現金化又は費用化するものを流動資産、1年を超えるものを固定資産、また1年の間に支払期限が到来するものを流動負債、1年を超えるものを固定負債という。

引用元:日本公認会計士協会HP 会計監査用語解説集「1年基準」 

 

定期預金の内、期末日から起算して1年以内に満期が到来するならば、流動資産の現金及び預金、1年以内に満期が到来しないなら固定資産の長期性預金に区分します。この判定は毎期行い、流動資産への振替の条件を満たしたら、長期性預金から現金及び預金へと振り替えます。

 

例)期末時点において、満期日まで1年以内の長期性預金10,000を流動項目に振り替える。

 

(仕訳)

定期預金 10,000 / 長期性預金 10,000

 

実務でも忘れがちなところですので、要注意です。

 

(vol.10へ続く)