かいけいがく vol.10 - 売掛金・受取手形 Part.1 -

(vol.9から続く)

 

今回は売掛金受取手形について解説します。

 

まずは定義から確認しましょう。

 

売掛金(顧客との契約から生じた債権その他の通常の取引に基づいて発生した営業上の未収金をいう。ただし、破産更生債権等で一年内に回収されないことが明らかなものを除く。以下同じ。)

引用元:財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和三十八年大蔵省令第五十九号) 第15条3

 

受取手形(顧客との契約に基づく財貨の交付又は役務の提供の対価として当該顧客から支払を受ける権利(当該顧客に対する法的な請求権を有するものに限る。第三号及び第十七条第四項において「顧客との契約から生じた債権」という。)その他の通常の取引に基づいて発生した手形債権をいう。ただし、破産更生債権等で一年内に回収されないことが明らかなものを除く。以下同じ。)

引用元:財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(昭和三十八年大蔵省令第五十九号)第15条2

 

これらをわかりやすく言い換えると以下のように説明できます。

 

売掛金:主な営業取引により生じた得意先に対する代金の未回収金

受取手形:手形を受け取ったものが支払期日に決められた金額を受け取れる権利

 

売掛金受取手形を合わせて売上債権といったりします。

 

売上債権 = 売掛金 + 受取手形

 

事例で確認しましょう。

 

例)得意先Aに対して、商品Bを掛け取引で5,000で売り上げた。

さらに、翌月に全額、普通預金口座に入金された。

 

(仕訳)

売掛金  5,000 / 売上  5,000

 

普通預金 5,000 / 売掛金 5,000

 

例)得意先Cに対して製品Dを6,000で売って、対価として約束手形を受け取った。

その後、支払期日に決済して、当座預金口座に入金された。

 

(仕訳)

受取手形 6,000 / 売上   6,000

 

当座預金 6,000 / 受取手形 6,000

 

売掛金が支払期日までに回収できること、受取手形の支払期日にきちんと決済できることは会社が事業を営む上で、極めて大切です。売上があがっても代金の回収ができなければ、事業を継続していくためのお金が足りなくなる場合もあるからです。

 

ですから、営業活動は売上から代金の回収まで、はじめから終わりまで気を抜くことはできません。

売上債権の回収は企業の生命線といっても過言ではないからです。

 

それでも、売上債権を回収できないこともあります。回収の見込みがないことを決算書上ではどのように表現するのでしょうか?

 

(vol.11へ続く)