ローン・パーティシペーション - 債権流動化のひとつの手法 -
昔、会計やファイナンス関係のことについて勉強している時に、
思ったことがあります。
「いちいち用語がかっこいい・・・」
(中二心をくすぐるとはこういうことでしょうか。)
例えば、MSCB、デッド・アサンプション、バリエーション、
コンバーティブル・エクイティ、クレジット・デフォルト・スワップ等。
ネタにしている場合もあるほどです。
今回はローン・パーティシペーションを取り上げましょう。
ローン・パーティシペーション(英:Loan Participation、以下略して「LP」)は
債権の流動化の手法として広く利用される手法です。
債権に絡む権利義務関係を移転させず、
経済的利益とリスクを原債権者から参加者に移転させる契約となります。
契約関係はそのままで、一定の要件を満たす場合は債権の消滅を認めています。
LPの会計処理の方法としては2つの方法が考えられます。
①法律上の権利義務関係はそのままなので、原債権者のB/S上に債権はそのままで計上しておく。LPは参加者から原債権者への貸付取引として処理する。
②LP契約に基づいて経済的利益とリスクが参加者に移転したという実態に着目して、
債権は原債権者から参加者に売却されたものとして取り扱う。
設例で確認しましょう。
例)
・x0年4月1日に年利8%の貸出金元本5,000の50%(参加元本:2,500)について、
ローン・パーティシペーション契約を締結した。
・元利金の回収は毎年3月31日の年1回であり、
1,2回目は1,000、最終は500の回収となる。
・参加手数料は毎年100であり、元利金の回収時に支払う。
・LP契約は債権譲渡として取り扱うものとする。
・参加利益の売却価額は2,800とする。
(仕訳)
x0年4月1日
・原債権者
預金 2,800 / 債権 2,500
業務収益 300
・参加者
債権 2,500 / 預金 2,800
その他資産 300
x1年3月31日(回収元本:1,000、回収利息:400)
・原債権者
預金 700 / 債権 500
債権利息 200
預金 700 / その他負債 600
役務収益 100
その他負債 600 / 預金 600
・参加者
預金 600 / 債権 500
役務費用 100 債権利息 200
債権利息 100 / その他資産 100*1
*1 300 ÷ 12/36 = 100
以上となります。
このように法律上の関係はそのままに、経済的実態に基づいて、
一定の要件を満たした場合に、オフバランス取引を行うことになります。