ファクタリングの会計処理等 - vol.1 -

ファクタリングは、債権を決済期日前に譲渡する取引を指します。

ここではファクタリングの会計処理について整理します。ファクタリングは債権の譲渡契約に該当しますが、会計上、当該債権の譲渡が消滅の要件を満たしているかどうかがポイントになります。

まずは債権の消滅をどの時点で行うのかについての整理です。

企業会計基準第 10 号「金融商品に関する会計基準」第8項

金融資産の契約上の権利を行使したとき、権利を喪失したとき又は権利に対する支配が他に移転したときは、当該金融資産の消滅を認識しなければならない。 

 

次に消滅の要件についてです。

企業会計基準第 10 号「金融商品に関する会計基準」第9項

9. 金融資産の契約上の権利に対する支配が他に移転するのは、次の要件がすべて充たされた場合とする。

(1) 譲渡された金融資産に対する譲受人の契約上の権利が譲渡人及びその債権者から法的に保全されていること

(2) 譲受人が譲渡された金融資産の契約上の権利を直接又は間接に通常の方法で享受できること

(3) 譲渡人が譲渡した金融資産を当該金融資産の満期日前に買戻す権利及び義務を実質的に有していないこと 

 

上記要件を充足した場合、債権の消滅を認識することになります。