かいけいがく vol.73 - 外貨建取引 Part.1 -
(vol.72から続く)
今回は外貨建取引について説明します。
外貨建取引は取引価額が外国通貨で表示される取引のことを指します。
外貨建取引は原則として、取引発生時の為替レート(HR:Historical Rate)により換算した円換算額で記録します。
例)A社はx1年4月1日、米ドル100ドルを借り入れた(HR:100円/ドル)。
(仕訳)
預金 10,000 / 借入金 10,000*1
*1 100ドル × 100円/ドル = 10,000
決算時においては、各区分に応じて換算処理を行います。
原則として、下記の表の通りに換算することになります。
(記号の説明)
HR:取引発生時の為替レート
CR(Current Rate):決算時の為替レート
*1 償却原価法を適用している場合、償却額はAR*4換算する。
*2 決算時時価 × CR
*3 時価又は実質価額 × CR
*4 AR:Average Rate:決算月や通期等を対象期間とする為替レートの平均値
決算時の処理による換算差額は原則として為替差損益として、
当期の損益として処理することになります。
例)先程の例の借入金(100ドル)を期末時点(為替レート:110円/円)で換算処理する。
(仕訳)
為替差損益 1,000 / 借入金 1,000*1
*1 100ドル × (110 - 100)円/ドル = 1,000
取引決済したときの損益は原則として、当期の為替差損益として処理します。
例)x1年4月1日に掛仕入で発生した買掛金100ドルを翌月末に支払った。
為替レートは以下の通りである。
・取引時:100円/ドル
・決済時:120円/ドル
(仕訳)
仕入時
仕入 10,000 / 買掛金 10,000*1
*1 100ドル × 100円/ドル = 10,000円
決済時
買掛金 10,000 / 預金 12,000*2
為替差損益 2,000
*2 100ドル × 120円/ドル = 12,000
(vol.74へ続く)