かいけいがく vol.117 - 所得税 Part.3 -
②損益通算・純損失及び雑損失の繰越控除
損益通算は各所得の計算をした結果、損失が生じた場合、一定の項目に関しては、
決められた順序により他の所得から控除できる仕組みです。
対象となる所得は次のとおりです。
・不動産所得
・事業所得
・譲渡所得
・山林所得
※対象となる所得でも一部例外がありますので、実際の適用の際には、
ルールの適切な運用が必要です。
(参考)
では具体的に損益の通算はどうするのでしょうか?
まずは、総所得金額を2つに分けます。
(1)経常所得:事業所得、不動産所得、利子所得、配当所得、給与所得、雑所得
(2)それ以外:譲渡所得、一時所得
それぞれの区分に基づいて損益通算した後、それぞれの区分間で損益を通算します。
経常所得の損失をそれ以外の区分から控除する時は、以下の順で行います。
短期譲渡所得→長期譲渡所得→一時所得
上記の手順で損益通算した結果、損失がある場合、
山林所得→退職所得の順で控除します。
損益通算をした結果として赤字となった場合には、
翌年以降3年間繰り越して、総所得金額、退職所得、山林所得から控除することが認められています。これを純損失の繰越控除といいます。
(ただし、青色申告をしている場合に限られます。)
また、雑損失の金額も同様に、総所得、退職所得、山林所得から控除できます。
これを雑損失の繰越控除といいます。
(vol.118へ続く)