かいけいがく vol.117 - 所得税 Part.3 -

②損益通算・純損失及び雑損失の繰越控除

 

損益通算は各所得の計算をした結果、損失が生じた場合、一定の項目に関しては、

決められた順序により他の所得から控除できる仕組みです。

 

対象となる所得は次のとおりです。

 

・不動産所得

・事業所得

・譲渡所得

・山林所得

 

※対象となる所得でも一部例外がありますので、実際の適用の際には、

ルールの適切な運用が必要です。

(参考)

No.2250 損益通算|所得税|国税庁

 

では具体的に損益の通算はどうするのでしょうか?

まずは、総所得金額を2つに分けます。

 

(1)経常所得:事業所得、不動産所得、利子所得、配当所得、給与所得、雑所得

(2)それ以外:譲渡所得、一時所得

 

それぞれの区分に基づいて損益通算した後、それぞれの区分間で損益を通算します。

経常所得の損失をそれ以外の区分から控除する時は、以下の順で行います。

 

短期譲渡所得→長期譲渡所得→一時所得

 

上記の手順で損益通算した結果、損失がある場合、

山林所得→退職所得の順で控除します。

 

損益通算をした結果として赤字となった場合には、

翌年以降3年間繰り越して、総所得金額、退職所得、山林所得から控除することが認められています。これを純損失の繰越控除といいます。

(ただし、青色申告をしている場合に限られます。)

 

また、雑損失の金額も同様に、総所得、退職所得、山林所得から控除できます。

これを雑損失の繰越控除といいます。

 

(vol.118へ続く)