マンガ『らーめん才遊記』著:久部緑郎、河合単

今回、俺がやったことは、一日二日で終わるちょっとした工夫だ。

なのになぜ、あの老夫婦は長年、何もしないでいた?

・・・

能無しの怠け者だからだよ。

-芹沢達也『らーめん才遊記』

 

料理をうまいと感じる際、そこには未知への感動と、

既知への安堵という両面がある。

-芹沢達也『らーめん才遊記』

 

いいものなら売れるなどというナイーブな考え方は捨てろ。

-芹沢達也『らーめん才遊記』

 

前作、『ラーメン発見伝』のスピンオフ的作品でありながら、前作とは異なる視点からラーメンを考察している名作です。

 

前作の主人公・藤本浩平はダイユウ商事に勤めながら、自分のラーメン店を開業するために夜は屋台をひくという設定でしたが、本作の主人公・汐見ゆとりは料理の英才教育を受けたお嬢様でありながら、らーめんに関しては全くの素人。それが縁あって、芹沢達也の経営する会社に入社することになります。

 

前作の主人公とはまた違う独特の個性を持ったキャラクターであり、シニカルな芹沢達也と対照的な天真爛漫な性格の若者です。

 

前作と同様に、ラーメンを深く考察していることもそうですが、飲食店ビジネス全般を広く分析していて非常に興味深いです。

 

ラーメン発見伝も、らーめん才遊記も人生訓的な要素があるから結構、学びが多かったりします。