仮想通貨の会計処理 - vol.2 -

②.仮想通貨交換業者が預託者から預かった仮想通貨の会計処理

 

(ⅰ)預託者から預かった時

・預かった仮想通貨→資産として認識(預かった時の時価を帳簿価額とする)

・預託者への返済義務→負債として認識(資産と同額)

 

(ⅱ)期末時の評価

まずは預かった仮想通貨について資産評価はどうするのでしょうか?

 

実務対応報告第38号「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」第15項

・・・仮想通貨交換業者が保有する同一種類の仮想通貨から簿価分離したうえで、活発な市場が存在する仮想通貨と活発な市場が存在しない仮想通貨の分類に応じて、第 5 項及び第 6 項に定める仮想通貨交換業者の保有する仮想通貨と同様の方法により
評価を行う。・・・

 

また、負債についての評価も定められています。

 

実務対応報告第38号「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」第15項

・・・預託者への返還義務として計上した負債の期末の貸借対照表価額を、対応する預かった仮想通貨に係る資産の期末の貸借対照表価額と同額とし、預託者から預かった仮想通貨に係る資産及び負債の期末評価からは損益を計上しない。 

 

会計処理としては、以上となります。

 

次に開示についてです。

 

売却取引に関するP/L上の表示については、売却収入から売却原価を控除した順額をP/Lに表示します。

 

注記事項として、以下の事項が求められます。

実務対応報告第38号「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」第17項

(1) 仮想通貨交換業者又は仮想通貨利用者が期末日において保有する仮想通貨の貸借対照表価額の合計額

(2) 仮想通貨交換業者が預託者から預かっている仮想通貨の貸借対照表価額の合計額

(3) 仮想通貨交換業者又は仮想通貨利用者が期末日において保有する仮想通貨について、活発な市場が存在する仮想通貨と活発な市場が存在しない仮想通貨の別に、仮想通貨の種類ごとの保有数量及び貸借対照表価額。ただし、貸借対照表価額が僅少な仮想通貨については、貸借対照表価額を集約して記載することができる。 

 

ただし、保有している又は預かっている仮想通貨の金額が資産総額と比べて重要でない場合、注記の省略が認められます。

 

(参考)

実務対応報告第38号「資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取扱い」