かいけいがく vol.19 - 棚卸資産 Part.1 -

(vol.18から続く)

 

今回は棚卸資産についてみていきましょう!

 

棚卸資産(在庫)は会社の事業活動においては非常に重要です。

大切な商品という側面であると同時に、資金を拘束してしまうという面もあります。

また、実地棚卸により在庫確定ができなければ正確な損益の確定もできません。

 

企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」第3項

 

・・・棚卸資産は、商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等の資産であり、企業がその営業目的を達成するために所有し、かつ、売却を予定する資産のほか、売却を予定しない資産であっても、販売活動及び一般管理活動において短期間に消費される事務用消耗品等も含まれる。 

 

このように棚卸資産はいくつかの要素からなります。

1つずつみていきましょう。

 

原材料

製造業等では製品の製造を行うために材料等を仕入れますが、これが「原材料」になります。

 

仕掛品・半製品

原材料を製造工程に投入して、未だに完成していない場合は「仕掛品」、「半製品」と呼ばれます。

 

商品

物品の販売を事業として行っている会社などでは、仕入れた品が「商品」となります。

 

製品

製造工程に原材料を投入して完成した場合、「製品」となります。

 

その他、棚卸資産に区分されるものがいくつかありますが、とりあえずは以上で述べたものを押さえておけば問題はないでしょう。

 

企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」第6-1項

 

棚卸資産については、原則として購入代価又は製造原価に引取費用等の付随費用を加算して取得原価とし ・・・

 

棚卸資産の取得価額は購入または製造にあたっての付随的な費用も含めます。

付随費用には商品の発送のための荷造費や運送するための費用等が含まれます。

 

企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」第7項

 

通常の販売目的(販売するための製造目的を含む。)で保有する棚卸資産は、取得原価をもって貸借対照表価額とし、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額とする。この場合において、取得原価と当該正味売却価額との差額は当期の費用として処理する。  

 

棚卸資産の評価は取得価額により行います。ただし、期末時点で正味売却価額が取得価額を下回った場合には、正味売却価額をB/Sに計上します。

 

なお、正味売却価額は以下のように定義されます。

 

企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」第5項

 

「正味売却価額」とは、売価(購買市場と売却市場とが区別される場合における売却市場の時価)から見積追加製造原価及び見積販売直接経費を控除したものをいう。

なお、「購買市場」とは当該資産を購入する場合に企業が参加する市場をいい、「売却市場」とは当該資産を売却する場合に企業が参加する市場をいう。  

 

(vol.20へ続く)