排出量取引の会計処理 - vol.2 -

・専ら第3者へ販売することを目的に排出クレジットを取得する場合

(1)他社から購入する場合

契約締結時

仕訳なし

 

引き渡し前

排出クレジットの取得に先立って資金を支出している場合、前渡金とします。明らかに回収可能な場合を除いて、評価減の必要性を検討します。

 

引き渡し時

取得価額により棚卸資産として取り扱う。期末時に正味売却価額が取得価額を下回っている場合、正味売却価額によりB/Sに計上します。

 

(2)出資により取得する場合

個別上の取り扱い

金融商品会計基準に従って処理する。

 

排出クレジットが分配された場合

企業会計基準委員会 実務対応報告第15号「排出量取引の会計処理に関する当面の取扱い」3(2)

① 当初から排出クレジットでの分配を期待して出資している中で、排出クレジットの分配が行われた場合には、これまで保有していた出資の帳簿価額のうち実質的に引き換えられたものとみなされる額について、投資元本の帳簿価額から減額し、同額を分配された排出クレジットの取得原価として計上する。

② 出資後に生じた利益の分配など、投資が継続しているとみなされる中で当該投資の成果として排出クレジットの分配が行われた場合には、分配された排出クレジットの時価をもって収益として計上する。 

 

分配された排出クレジット

専ら第3者に販売する目的で取得する場合

→取得価額により棚卸資産として取り扱う。期末時に正味売却価額が取得価額を下回っている場合、正味売却価額によりB/Sに計上します。

 

■留意事項

・出資先が子会社又は関連会社に該当する場合

→連結又は持分法を適用

・子会社又は関連会社が排出クレジットを獲得するプロジェクトを行っている場合

→排出クレジットは取得原価は適正な原価計算基準により算定します。

 

(参考)

企業会計基準委員会実務対応報告第15号「排出量取引の会計処理に関する当面の取扱い」