かいけいがく vol.102 - 会計上の変更と誤謬の訂正 Part.1 -
(vol.101から続く)
今回からは会計上の変更と誤謬の訂正について取り扱っていきます。
さっそくですが、言葉の意味するところを確認しましょう。
会計上の変更 = 会計方針の変更 + 表示方法の変更 + 会計上の見積りの変更
会計方針の変更
従来採用していた一般に公正妥当と認められる会計方針
→他の一般に公正妥当と認められる会計方針
表示方法の変更
従来採用していた一般に公正妥当と認められた表示方法
→他の一般に公正妥当と認められた表示方法
会計上の見積りの変更
過去に財務諸表を作成する際に行った会計上の見積りを、
新たに入手可能となった情報に基づいて変更すること。
また、誤謬は会計基準上は次のように定義されます。
企業会計基準第 24 号「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する
会計基準」
(8) 「誤謬」とは、原因となる行為が意図的であるか否かにかかわらず、財務諸表作成時に入手可能な情報を使用しなかったことによる、又はこれを誤用したことによる、次のような誤りをいう。
① 財務諸表の基礎となるデータの収集又は処理上の誤り
② 事実の見落としや誤解から生じる会計上の見積りの誤り
③ 会計方針の適用の誤り又は表示方法の誤り
これらの処理を大まかに整理すると以下の通りとなります。
会計方針の変更 → 遡及適用
表示方法の変更 → 表示の組替
会計上の見積り → 変更期間または将来にわたり処理
誤謬の訂正 → 修正再表示
ひとつずつみていきましょう。
・会計方針の変更
財務諸表には重要な会計方針を注記することになります。
一度採用した会計方針は継続的に適用することになりますが、
会計基準等の変更や正当な理由がある場合には変更します。
その場合、原則として新しい会計方針を過去の期間のすべてに遡及的に適用することになります。
・表示方法の変更
原則として表示方法は継続的に適用しますが、会計基準等の変更や会計事象等を適切に財務諸表に反映させる場合には変更します。
その場合、過去の財務諸表について新しい表示方法により組替を行います。
・会計上の見積りの変更
見積りの変更が当該期間のみに影響する場合、当該期間に処理をします。
また、将来にわたって影響する場合、将来にわたり処理を行います。
・誤謬の訂正
過去の財務諸表に誤謬が見つかった場合は修正再表示を行います。
(参考)
企業会計基準第 24 号「会計方針の開示、会計上の変更及び誤謬の訂正に関する
会計基準」
(vol.103へ続く)