金銭等の信託に係る会計処理 vol.3

③.信託財産:金銭以外、委託者兼当初受益者:単数

 

(信託設定時)

受益者は信託財産を直接保有する場合と同様に会計処理をします。

 

(売却時)

受益権が売却された場合、信託財産を直接保有していたものとして消滅の認識の要否を判断します。

 

(期末時)

 

原則

信託財産のうち持分割合相当を資産・負債として受益者のB/Sに計上し、P/Lについても同様に処理します(「総額法」による処理)。但し、重要性が乏しい場合はこの限りではありません。

 

例外

(受益権が質的に異なるものに分割されている場合や受益者が多数となる場合の取扱い)

 

(1)受益権が優先劣後等のように質的に異なるものに分割されており、かつ、譲渡
等により受益者が複数となる場合

 

実務対応報告第 23 号「信託の会計処理に関する実務上の取扱い」 

個別財務諸表上、信託を一種の事業体とみなして、当該受益権を信託に対する金銭債権の取得又は信託からの有価証券の購入とみなして取り扱うとされている。

 

(2)受益権の譲渡等により受益者が多数となる場合

 

この場合には、(1)と同様に信託を事業体として評価を行うことができるとされます。

連結上、信託を子会社・関連会社として扱うかどうかは、前回の投稿②.に準じて処理します。

 

(他から受益権を譲り受けた受益者の会計処理 )

 

原則

信託財産を直接保有している場合と同様に会計処理を行います。

 

例外

(当該信託に係る受益権が質的に異なるものに分割されている場合や受益者が多
数となる場合の取扱い)

 

受益権を信託に対する有価証券とみなして会計処理を行います。