利便性 = 汎用性 + 拡張性 + 簡潔性 + 明瞭性 vol.1

さまざまな制度が社会にはあります。

 

国や自治体、会社や組合、学校や家庭など、さまざまな目的のためにさまざまな形態の仕組みがあります。

 

会計も同様に制度であり、円滑な経済活動のためになくてはならないものです。

 

では会計とは何でしょうか?

Wikipediaを参照すると以下のような記述があります。

会計(かいけい、英語Accounting, Accountancy)とは、委託・受託関係において、受託者がその委託者に、委託された活動の状況について説明ないし釈明(account for)する行為を言う。受託者は委託者に対して活動の記録と報告を行うことで、受託責任が適切に遂行されたことを証明しようとする。

参照元:「会計」『フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』。最終更新 2021年4月25日 (日) 12:11  UTC、URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%9A%E8%A8%88

 

 少しわかりづらいですね。筆者なりに噛み砕いて説明すると、

 

『会計とは、特定の経済体の活動を公正妥当と認められたルールに則って、数値に置き換えて、利害関係者に報告する行為』

 

のように定義できると考えます。

 

さらに、簡略化して説明するとしたら、

 

『会計とは、経済活動を数値に置き換える行為』

 

と定義してもいいかと思います。

(専門家の方々からは怒られるかもしれませんが、わかりやすく説明するにはこのような表現のほうが適切かと思います。)

 

では、実施段階においてはどのような方法で会計を行うのでしょうか?

 

一般には以下のプロセスを経て、利害関係者(経済体に関わる人々だと考えてください。会社であれば取引先や株主などが該当します。)に報告されます。

 

認識 → 測定 → 記録 → 報告

 

それぞれについて説明してみましょう。

 

認識:経済活動の内、どのようなものが会計の対象となるのかを判定すること

 

測定:認識した事象に金額を割り振ること

 

記録:帳簿や管理表等に記録すること

 

報告:利害関係者に伝えること

 

つまり、経済活動の内、取り扱うものを選び、金額を決めて、帳簿に記録して、報告することが会計の一連の流れだということができます。

 

どのプロセスも欠くことができない大切なプロセスであります。

対象となる経済体が大企業か中小企業、学校や自治体、個人や家庭、幅広く領域は広がりますが、大枠としては上記のプロセスを経ることになります。

 

さてここで、筆者が現代の会計において、どこに改善の余地があると考えているかについて述べてみたいと思います。

(なお、以下で述べることは効率性や社会的なコストを主に考えており、実効性の確保はかなり議論の余地があることなので、ここでは取り扱いません。)

 

認識と測定に関しては、公正妥当と認められた(つまり大勢の人々が合意した)規範があり(法令や慣習)、将来事象の見積もりなどに多少の意見の相違が観られることもありますが、会計の実施にあたっては大きな問題となるとは考えていません。

 

また報告に関しても、様式などが標準化されており、開示主体によって報告内容(つまりフォーマットや記載内容)が大きく相違するといったことがありません。なので、利害関係者が理解の大きな障害となることはないでしょう。

 

では、記録はどうでしょうか?

 

記録とは帳簿に記録・保存しておくということであり、必要なときに必要な情報が必要な速さで取り出せる必要があります。

 

帳簿の記録、つまり簿記の技術は何百年前からありますが、社会が複雑化するにつれて会計に要求される事項が増えるにしたがい、それなりに発展してきたと思います。

 

ですが筆者の見る限り、制度設計の面で再考する余地がかなりの部分、温存されていると見受けられるのです。

 

(vol.2に続く)