金銭等の信託に係る会計処理 vol.4

④.信託財産:金銭以外、委託者兼当初受益者:複数

 

(信託設定時)

 

信託の設定により損益は計上されません。

 

ただし、委託者兼当初受益者が信託に対して支配することも重要な影響も及ぼすことがないときは、「事業分離等に関する会計基準」に従って、個別F/S上、移転損益を認識することが適当です。

 

(売却時・期末時)

(1)受益権が各委託者兼当初受益者からの財産に対応する経済的効果を実質的に反映し、かつ、売却後の受益者が多数とはならない場合の取扱い 

 

実務対応報告第 23 号「信託の会計処理に関する実務上の取扱い」

・・・それぞれにおける経済的効果が信託前と実質的に異ならない場合には、信託財産から生ずる経済的効果を受益者に直接的に帰属するように会計処理することが可能であることから、・・・

 

受益権の売却時には、受益者が信託財産を直接保有するものとして消滅の要否を判定します。

 

(2)(1)以外の場合

個別上、有価証券を保有しているものとして、売却時には有価証券の売却として取り扱います。

連結上、「②.信託財産:金銭、委託者兼当初受益者:複数」の場合に準じて、信託が子会社又は関連会社に含まれるかを判断します。

 

なお、上記で述べている金銭以外の財産は事業には該当しないものとします。

 

企業会計基準第 7 号「事業分離等に関する会計基準」 

3. 「事業」とは、企業活動を行うために組織化され、有機的一体として機能する経営資源をいう。